暴動
《サイド:黒柳大悟》
「セルビナ軍を押さえ込めっ!」
「「「「「うおおおおっ!!!!」」」」」
俺が指揮をとる部隊もセルビナ軍に突撃を開始する。
「手足を狙って戦闘不能に追い込めっ!」
指示を受けて次々と放たれる魔術がセルビナ軍を貫いていく。
「「「「「ぐああああっ!!!」」」」」
共和国軍の勢いに押されて、
セルビナ軍は徐々に後退を始めているようだな。
…ここまでは順当か。
いかに数を集めようとも寄せ集めただけの力なき一般市民では足止めすらもままならないからだ。
この結果は当然と言えるだろう。
「このままセルビナ軍を追い込めっ!!」
僅か5000程度の部隊でも、
万を越えるセルビナ軍を押し返すことに成功している。
そんな共和国軍の猛攻に恐れを抱いた市民達が続々と逃亡を開始している姿が見えた。
「逃げる兵士は見逃せ!立ちはだかる敵だけを迎撃しろっ!!」
必死に叫ぶ俺の声が聞こえたのだろうか?
前方の部隊が一斉に逃亡を開始した。
「「逃げろーーーっ!!」」
死を恐れて逃亡を始める一般市民達。
それらを見逃しながら全力で叫び続ける。
「逃げるのなら手出しはしない!!戦う意志のない者は早々に立ち去れっ!!」
「「に、にげろーーっ!!」」
大声で叫んだ俺の言葉をきっかけとして、
セルビナ軍は一気に瓦解したようだ。
「「俺はまだ死にたくないっ!!」」
「「戦いなんて嫌だーっ!」」
「「うぁぁぁぁっ!!!!」」
恐怖を感じて怯えながら逃亡を始める一般市民達。
一度崩れた勢いは他の部隊にまで広がってしまい。
4万に及ぶ部隊の半数が我先にと逃亡を開始していった。
「「ま、待てっ!!逃げるなっ!!」」
必死に逃亡を食い止めようとする兵士達だが、
一般市民は味方すら押しのけながら逃亡を続けている。
「「死にたくないっ!!」」
「「邪魔をしないでくれっ!」」
恐怖が心を支配して暴徒と化した市民達。
その怒りの矛先が陸軍の兵士達に向けられているのだ。
「「お前達の責任だろうっ!!」」
「「戦争を始めたのはお前達だ!」」
「「お前達だけで戦えばいい!」」
本来ならば味方のはずの市民達に憎しみの視線を向けられる兵士達。
その暴動は急速に波紋を広げて、
1万の陸軍対3万の市民の戦いへと変わってしまったのだ。
「「お前達のせいで俺達は苦しんでいるんだっ!!」」
「「「「「………。」」」」」
怒りを込めて叫ぶ市民達に取り囲まれる陸軍の兵士達。
その様子を見ていた栗原君が、
不機嫌そうな表情を見せながら割り込んでいった。




