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防衛放棄
《サイド:大塚義明》
…ちっ!
砦の西側でミッドガルム軍の猛攻を一昼夜の間、単独で防いでいたのだが。
今までの努力も虚しく、
砦の守備についていた共和国軍が壊滅してしまったらしい。
…ここまでかっ!!
守るべき砦が陰陽師軍によって制圧されていく光景を黙って見ていることしか出来なかった。
…共和国の敗北だ。
もうここを守る意味もないだろう。
どうするべきだろうか?
すでに意識を失う寸前の極限状態だが、
それでも精霊を維持し続けていた俺に伝令部隊が駆け寄ってくる。
「大塚様!米倉様からの伝令です!!」
「…なんだ?」
「砦の防衛を放棄して南部に後退。残存勢力を結集して決戦に挑むとのことです!」
…後退か。
確かにそれしかないだろうな。
砦の防衛はすでに不可能だ。
俺もそれほど長くは戦えない。
「早急に後退してください!」
「ああ、分かった。」
最小限の指示を伝えた伝令部隊は、
別の部隊に伝令を届ける為に去って行く。
…だが、な。
逃げろと言われても逃げ切れるかどうかは別問題だ。
周囲を敵軍に囲まれた状況での撤退ほど難しい作戦は他にない。
…無事に合流できれば良いんだが。
限りなく難しいだろうと思いながらも、
ひとまず砦の防衛を放棄して砦の南部に向かうことにした。




