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死ねなかった
《サイド:栗原薫》
…ん?
あ、れ?
…私。
生きてるの?
「薫…?」
…その声は?
私に呼び掛ける成美の声に気付いて、
はっきりと意識が戻ってきたわ。
「あれ?私、どうして?」
望んで死を受け入れたはずなのに。
何故か死ねなかったみたいなのよ。
「生きてる…の?」
「うん!うんっ!」
戸惑う私に成美が飛びついてきたわ。
「薫~っ!!」
…成美。
私の為に泣いてくれる成美の温もりを感じながらも、
野々村さんに視線を向けてみることにしたの。
「えっと…あの…その…?」
命を捧げるつもりだったのに失敗してしまったのよ。
この状況でどうするべきか悩んでしまうんだけど。
野々村さんは私を見て微笑んでくれていたわ。
「良かったな…。」
私を責めるようなことはせずに、
飯塚さんに振り返ってしまったのよ。




