ジェノスでは味わえない
《サイド:御堂龍馬》
…やっぱり地面があるのは良いね。
今は僕と鈴置さんと成美ちゃんと栗原さんの4人で行動しているんだけどね。
船を下りた僕達は、
気分転換を兼ねて海岸沿いを歩くことにしたんだ。
時刻は午前7時を少しだけ過ぎた頃だろうか?
すでに夜が明けて晴れ渡る青空。
暖かな光で世界を照らす太陽を心地好く感じながら、
海岸沿いの砂浜を移動している。
ひとまず船の補修作業を優先する為に、
食料の配給が島で行われているという理由で上陸していたんだけど。
その流れで僕達は人気の少ない砂浜に移動して、
海を眺めながら朝食を食べようと考えて行動していた。
「お腹が空いたわね~。」
配給によって手に入れた朝食を眺めながら、
栗原さんは軽くお腹をさすっている。
「私もお腹ぺこぺこです。」
静かな砂浜に腰を下ろして準備を整える栗原さんの隣では、
成美ちゃんも無邪気な笑顔を浮かべていた。
そんな二人を微笑ましく思いながら、
僕と鈴置さんも二人の側に腰を下ろすことにしたんだ。
「たまにはこういう所で食事をするのも悪くないね。」
「そうですね。まるで遠足ですよね〜。」
…ははっ。
確かにそうかもしれないね。
無人島で向かえる朝は町の賑わいとは真逆の大自然だからだ。
どこまでも続く青空は同じでも、
この雄大な自然はジェノスでは味わえない。
青く澄み渡った海は同じでも、
心地好い波の音を聞きながら過ごす安らかな一時は決して同じではないんだ。
…町の中では感じることの出来ない自然がここにはある。
囲いのない広大な世界の中で、
僕達の心は安らぎで満たされていった。




