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そんな人生
《サイド:竜崎慶太》
…さすがに淳弥が可哀想だね。
「紗耶香、もう良いだろう。あまり淳弥を虐めるのは可哀相だよ。淳弥も一人きりで苦労していたんだから、少しくらいの気の緩みは許してあげたほうがいい。」
例えどれほど辛い現実の中でも、
好きな女性を見つけて幸せに生きていく。
そんな人生もあって良いと思うんだ。
「淳弥だけを責めるのは可哀相だよ。それに、その相手はもうどこにもいないんだからね。」
淳弥が惚れ込んだ美袋翔子は、
すでに世界中のどこを捜しても存在しない。
残された想いとでも呼ぶべき魂は常盤成美の瞳に宿っているものの。
本人が死亡したという事実は何も変わらないからね。
だからもう二度と彼女に出会うことは出来ないんだ。
「え、ええ…そうね。ごめん、慶太。私が言い過ぎたわ。」
僕が間に入ったことで、
素直に謝罪してくれた紗耶香だったけれど。
それでもやっぱり淳弥に対しては謝らなかったね。




