戦争の合間の休日
《サイド:常磐成美》
…え?あれ?
何故か薫に抱き着いている自分に気付きました。
…どうして?
次に傍で微笑んでくれている鈴置さんに気付いたんです。
…えっと?
その瞬間に私は私の状況にも気づきました。
…あぅぅぅ?
「あ、あの…っ!私…っ!」
顔を真っ赤にしながら慌てて薫から手を離しました。
そのあとで手をバタバタと動かしながら言い訳を考えていると、
鈴置さんは楽しそうに笑っていたんです。
「ふふっ。目は覚めたかしら?」
…えっ?
「あ…は、はい…っ。」
鈴置さんの笑顔のおかげで落ち着きを取り戻せた気がします。
今でもまだ顔は真っ赤だと思いますが、
呼吸を整えられる程度には冷静になれたんです。
「…か、薫。あの…ね?」
上目遣いに見上げながら寝ぼけていたことを謝りました。
「ごめんなさいっ。」
「あ、あははは…。い、いいの、いいの!これはこれで結構幸せ…ってまあ、それは置いといて…。とりあえず、おはよう、成美。起きてくれて良かったわ。」
寝ぼけていた私を許してくれた薫は、
笑いながら手を差し延べてくれました。
「動ける?」
「あ、うん」
薫の手をとってベッドから下ります。
それから薫と鈴置さんに視線を向き直って、
ちゃんと挨拶をすることにしました。
「おはようございますっ♪」
「おはよう、成美ちゃん。」
「おはよ~、成美。」
元気良く挨拶をしてみたことで、
二人も挨拶をしてくれました。
そうして鈴置さんと薫に挨拶をしたあとで、
部屋の中央にあるテーブル席に座っている御堂さんにも挨拶をすることにしたんです。
「おはようございます♪」
「ああ。おはよう、成美ちゃん」
いつもと変わらない笑顔です。
御堂さんの微笑みが嬉しくて、
ささやかな幸せを感じてしまいました。
薫も鈴置さんも御堂さんも。
…みんな優しくて大好きっ♪
私に微笑みを向けてくれる人達がいてくれることが幸せに思えるんです。
そうして幸せ一杯の笑顔を浮かべていると薫が話しかけてくれました。
「準備をしてから朝ごはんを食べに行くわよ~。まだ寝ぼけてない?大丈夫?」
「もう大丈夫だよっ♪」
「そう?なら良いけどね。」
私の返事を聞いてから今日も手を繋いでくれたんです。
「それじゃあ、行くわよ、成美。」
「うんっ♪」
朝から幸せな気持ちを感じながら、
今日という日を迎えました。
今もまだ戦争中のようですが、
船の修復作業の為に与えられた唯一の休日です。
争いのない一日の朝を気持ち良く迎えることが出来ました。




