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THE WORLD  作者: SEASONS
4月22日
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1872/2187

目撃情報

《サイド:米倉宗一郎》



…なるほどな。



「これでようやくきみ達のことが分かってきた。」



長野君の話を聞いて、

大まかな流れが理解出来た気がした。



…つまり。



現在の竜の牙は当主である竜崎一族を排除した偽りの組織ということだ。



本来の目的を見失って秘宝を求めるだけの心なき組織であり、

掲げるべき理想と存在意義を見失ってしまった低俗な組織でもある。



だからこそ現在の竜の牙は力に魅入られて狂ってしまっただけの全く別の組織であることが理解出来た。



…秘宝に魅入られた組織か。



愚かなことだな。



秘宝の力の脅威を俺は知っている。


かつて天城総魔の父である天城総司あまぎそうじが、

秘宝を扱っているところを幾度も目撃しているからだ。



…とは言え。



あくまでもそれはアストリア王国に移住した天城総司が愛する人と結婚して天城総魔を生む以前の話になる。



…他国にいた頃ならともかく。



アストリア王国に移住して以降の天城総司は秘宝を一度も使用しなかったはずだ。



「何故、竜の牙は俺や天城総司にたどりついた?俺達は一度たりとて秘宝を使ったことはないはずだ。それなのにどうして俺達を疑った?」


「当時はまだ俺も姉貴達も幼かったから詳しいことは知りませんが、竜の牙の内部において偶然にも秘宝の力を目の当たりにしていた者がいたようです。その人物はすでに亡くなっているそうですが、アストリア王国において行方不明だった天城総司を目撃したことをきっかけとして、秘宝を所持している可能性が考慮されたそうです。」



…ちっ。



どれほど情報を隠蔽しても目撃情報までは封殺出来なかったということか。



大陸南部全域に勢力を広げる竜の牙には、

当然、各国から魔術師が集まることになる。


そのせいでたまたま竜の牙に所属した魔術師の報告によって、

天城総司が秘宝を所持していることが明らかになってしまったのだろう。



「そうして得た情報の事実確認と秘宝の奪取の為に…竜の牙は一つの計画を考えました。」



…ん?



「計画だと?」


「ええ、そうです。」



戸惑う俺にも理解できるように、

長野君は俺も知らなかった真実を告げてくれたのだ。



「残念ながら秘宝【千里の瞳】を持ってしても他の秘宝の存在は確認できないそうです。同種の力には影響しないのか…それとも秘宝を使うための実力が足りないせいで探索が出来ないのかは分かりませんが、どちらにしても千里の瞳による探索は不可能だったようです。」



…ほう、なるほどな。



秘宝を用いても秘宝は探せないのか。



だとすれば納得できることもある。



どうして竜の牙は俺が秘宝を持っていると言い続けているのか?



その理由こそが、

秘宝のありかを把握していない最大の証と言えるだろう。



「秘宝の所在が判断できないことで竜の牙は別の方法を試しました。それが竜の牙が狂い始めた始まりでもあるのですが、その出来事を境目にして竜の牙の内部は二つに別れたそうです。」



理想を追う竜崎一族と、

秘宝を求める竜谷と竜道寺の暴走によって組織の内部に派閥が生まれたということか。



「それでもその時点ではまだ小さなきっかけで竜の牙を狂わせるほどではなかったらしいのですが…。」



…だとしてもだ。



一度狂い始めた歯車は、

後に大きな亀裂を生み出す結果になる。



「その頃に竜の牙は二つに割れたのだな?」


「はい、そうです。そして力に魅入られた竜谷と竜道寺の独断によって、アストリア王国の『漁村フルーム』に竜の牙の隠れ家があるという噂が流されました。」



…なっ!?



フルームだとっ!?



「まさかっ!?」




漁村フルームが魔術師狩りの被害にあった理由は竜の牙が原因だったのか!?




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