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THE WORLD  作者: SEASONS
4月22日
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1867/2118

誘導尋問

《サイド:長野淳弥》



「きみは長野一族の血を引く者だな?」



…!?



突然、事実を指摘されたことで言葉を詰まらせてしまった。



…何故、気付いた?



長野の名前は有名ではあるが、

一般的な名前でもあるんだぞ?



何の確証もなしに関連付けることは出来ないはずだ。



それなのに。


米倉宗一郎はすでに俺の正体に勘付いている様子だった。



「そしてきみは『元』竜の牙であり。現在においては反乱軍に所属しているのだろう?長野淳弥君。」



…ちっ。



どこまで気付いてるんだ?



竜の牙に関してはともかく、

反乱軍の存在を知っている理由が分からない。



「何故、そう思うのですか?」


「ふっ。何故…か。つまり否定はしないと言うことだな?」



…くっ!



俺としたことが、

こんな簡単な罠に嵌るとはな。



「否定も何も…?」


「俺の言葉の意味を理解していると解釈して良いのだな?」



…くそっ。



ごまかすのは無理か。



「きみの目的は何だ?」



………。



言葉をなくして黙り込んでしまったのだが、

それでも米倉宗一郎は追求を続けてくる。



「俺が持っていると考えている『モノ』を奪い取ることか?」



………。



秘宝を奪い取る為にいるのかどうか?


その問いかけに対する答えは一つしかないが、

今ここで言えることじゃないからな。



黙秘を続ける以外に出来ることはなかった。



「きみは味方か?それとも敵か?」



………。



必死に沈黙を続けてみるが、

異様な雰囲気を目の当たりにしたことで、

里沙達も固唾を飲んで成り行きを見守っている様子だ。



「きみの目的は何だ?」



最も根本的な疑問。


この問い掛けに対する返答次第では、

これ以上の話し合いは無意味になるだろう。



…どうする?



米倉宗一郎の疑問に答えるか?



全てを話すのは簡単だ。



…だが今はまだ、その時じゃないはずだ。



「俺には何のことか分かりません。」


「今更だな。…とは言え、きみにはきみの事情があるのだろう。だからまずはこちらから情報を与えようか。」



…情報だと?



「俺達が追っていた竜の牙はすでに全滅したらしい。そして殲滅を行ったのが反乱軍を名乗る部隊だそうだ。」



…なっ!?



「まさか、この先に反乱軍がいるのですかっ!?」



反乱軍の情報を聞いたことで、

ついに黙秘を放棄してしまった。


その瞬間に米倉宗一郎は笑みを浮かべていたんだ。



「ようやく話す気になったようだな。長野淳弥君。」



…ちっ!



はめられたかっ!



米倉宗一郎の笑みを見たことで、

自分の晒した失態に悔しさを感じてしまった。



まんまと誘導されて自ら全てを認めてしまったからだ。



…くそっ!



騙されて余計なことを言ってしまったと考えたのだが、

どうやら情報そのものは嘘ではなかったらしい。



「落ち込む必要はない。今、言ったことは真実だからな。この先の国境において反乱軍が俺の到着を待っているそうだ。すでに彼等と接触した新堂からはそう聞いている。共和国軍との共闘を目的として交渉を望んでいる…とな。」



…そうか。



包み隠さずに堂々と情報を提供する米倉宗一郎の説明を聞いて、

少しだけだが落ち着きを取り戻すことができた。



…交渉か。



ついにその時が来たのか。



…だったらもう、隠す必要はないな。



馬車を走らせる山道を見つめながら、

米倉宗一郎の質問に答えることにした。



「この先に…姉貴がいるんですね。」



米倉宗一郎の推測を認めるために、

俺が知る情報を話すことにしたんだ。


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