階位
《サイド:米倉宗一郎》
時刻はまもなく午前6時になる頃だろうか?
空が少しずつ明るくなり始める頃になって、
俺達が乗る馬車はようやく国境警備隊の基地へとたどり着いた。
「ようやく着いたか…。」
「馬車を止めます。」
「ああ、頼む。」
長野君が馬車が停止してくれたことを確認してから立ち上がる。
…さて。
竜の牙の現状がどうなっているかだが。
「きみ達はこのまま待機していてくれ。おそらくすぐに出発することになるだろうからな。」
竜の牙の追撃の為に国境へ向かうつもりで長野君達を待機させることにした。
そうして最低限の情報を入手してからすぐに国境に向かおうと考えて一人で馬車を降りたところで陸軍の兵士達が駆け寄って来た。
「お待ちしていました!」
「挨拶は良い、それよりも戦況はどうなっている?」
俺に敬礼して姿勢を正す兵士達だが、
今は挨拶よりも情報交換が最優先だ。
「竜の牙との戦闘は継続中なのか?」
「い、いえ、戦闘はすでに終了しています!詳しい内容に関してはこのまましばらくお待ちください!すぐに新堂元帥が到着されますので!」
…戦闘が終わっているだと?
だとすれば竜谷元成はどうなった?
色々と気にはなるが、
進藤が話を聞かせてくれるのならそれまで待ったほうが良いだろう。
陸軍の頂点に立つ新堂輝彦。
その階級は最高位の陸軍元帥だ。
対する俺は海軍元帥と呼ばれているのだが、
今は亡き鞍馬宗久は国境警備隊の総司令官と呼ばれていた。
国境警備隊とは陸軍に所属する部隊の一つであり、
鞍馬宗久は国境警備隊において最高位の総司令官という立場にあったのだ。
その鞍馬宗久の下にいるのが北条辰雄と楠木博文と岸本克也の3人の司令官であり、
それぞれの下に戦闘を指揮する隊長が一名ずついる。
近藤悠護、近藤悠輝、鞍馬信彦の3人だな。
そしてさらにその下に隊長の補佐として副隊長が3人ずつ任命されているのだが。
あらゆる軍部の頂点にいる人物こそが共和国の代表を務める米倉美由紀であり、
軍部からは共和国軍総帥とも呼ばれていた。
「元帥がまもなくご到着されます!」
改めて宣言された直後に、
基地の内部から新堂輝彦が姿を見せてくれたのだ。




