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THE WORLD  作者: SEASONS
4月22日
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1857/2058

自信がなければ

《サイド:近藤悠輝こんどうゆうき



「竜の牙を一人残らず始末しろっ!!敵は魔術師だ!生存していれば再び動き出す可能性がある!全部隊、油断することなく最後まで確認作業を急げっ!!」



大声で指示をだし続ける。


そうして竜の牙の部隊を追撃しながら国境へと続く山道を突き進んできた俺は、

戦闘終了と同時に各部隊に指示を出して竜の牙の後始末を開始した。



「確実にトドメを刺して、死亡を確認しろっ!」



陸軍の協力も得ながら死亡した竜の牙の後始末を急ぐ。


その途中で誰かが俺に歩み寄ってきた。



「やあ、近藤君。きみも無事だったようだね。」



…ん?



なっ!?



背後から話し掛けてきた人物に振り返った瞬間に驚いて戸惑ってしまう。


まさか国内で再会するとは思っていなかったからだ。



「竜崎!?何故、ここにっ!?」



国境手前で別れたはずの竜崎がここにいるという事実に戸惑う俺に対して竜崎は爽やか微笑みを見せている。



「全ての準備が整ったからだよ。いよいよ共和国軍と合流して竜の牙の殲滅に動き出すことになったんだ。」



…竜の牙の殲滅だと?



「これからはきみとも協力することになるだろうね。今はまだ色々と疑問に思うことがあるかもしれないけれど、これからしばらくの間、僕達は仲間だ。」



…仲間?



「本気で言っているのか?」


「ああ、もちろんさ。」



あっさりと肯定した竜崎が右手を差し出してくる。



…俺に握手でもしろというのか?



疑問に思うことは色々とあるが、

だからといって敵対する理由はない。


言いたいことは幾つもあるが、

今は差し出された手を握り返すことにした。



「本当に共闘するのか?」


「ああ、そのつもりだよ。まあ、共和国が僕達を受け入れれば…という前提条件はあるけれどね。」



…なるほどな。



米倉元代表が反乱軍を受け入れるかどうか?


その決断次第によっては共闘が実現しない可能性もあるということか。



「米倉宗一郎の判断によって僕達は敵にもなるし味方にもなる。今はまだそういう立場かな。」



敵になるか味方になるかは竜崎にもまだ分からないらしい。


全ては米倉元代表との交渉次第ということだ。



「僕達を受け入れるのなら反乱軍は共和国の味方だ。だけどもしも受け入れないなら、僕達は共和国を去るつもりでいる。」


「可能性はどの程度だと考えている?」


「ほぼ間違いなく受け入れてくれると思っているよ。それだけの自信がなければわざわざ直接交渉なんてしないからね。」



…確かに。



上手くいくかどうかわからない交渉なら、

竜崎本人が共和国に来る必要はないだろう。


まずは使者や書状を送るなりして事前に話をまとめておくべきだ。


だがその手間を省いて行動しているということは、

交渉が成立するという自信の表れなのは俺にも理解できる。



「これから米倉元代表に会いに行くのか?」


「ああ、そのつもりだよ。とりあえず今どこにいるのかを調べてもらおうかと思ってるんだけどね。」



…米倉元代表の居所か。



通常ならジェノスかグランバニアのどちらかだろうが、

戦争と竜の牙の対応に追われている現状でははっきりとどこにいるとは言えないからな。



交渉どうこうよりも、

会いに行くことのほうが難しいのは間違いない。



「一応、確認が取れるまではここで留まるつもりだけど。居場所が分かり次第、会いに行くつもりだよ。」



交渉の為に米倉元代表との合流を急ぐ竜崎は、

かつての仲間である竜の牙が次々と処分されていく光景を眺めながら俺に問い掛けてきた。



「それで、きみはどうする?僕と一緒に来るかい?それともきみはきみの道を行くのかい?」



…俺の方針だと?



突然の選択肢。


竜崎の問い掛けに悩んでしまう。



…俺はどうするべきだろうか?



竜崎と共に行動したいと思う気持ちもある。


自分に隠された力のこともまだ分からず、

共和国に何が起きているのかも分からないからな。



だからこそ全ての真実を知る竜崎と共に行動したいと思う気持ちはあった。



…だが。



俺自身の為に国境警備隊としての役目を放棄するわけにはいかないとも思う。



この身に背負う義務と誇りにかけて、

役目を放棄することは出来ない。



「俺は…。」



共には行けないと答えようとしたところで、

竜崎の後方で様子を見ていた楠木司令官が話し掛けてきた。




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