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THE WORLD  作者: SEASONS
4月22日
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1850/1998

切り離された

《サイド:ウィッチクイーン》



…終わったわね。



父さんの死。


その事実は即座に竜の牙全体に広がっていったわ。



…これで目的の一つは達成したのよ。



父の殺害という目的は達成できたの。



組織の頂点に立つ大幹部の一人である父さんの死によって動揺を感じる様子の竜の牙達だけど。


唯一、長野直也だけは悲しみを込めた瞳で私を睨みつけていたわ。



「きみは…っ!きみは何ということをしてくれたんだっ!!」



決して敵わないと知りながらも私を睨みつけてくる。



「これで全てが終わってしまう。これで…何もかも終わってしまうんだ…っ!」



絶望を表情に示しながら私の前に立ちはだかったのよ。


その姿は哀れというよりも、

見ている私が不安を感じる様子だったわ。



「もう終わりだ…。これでもう…最後の希望は失われた。」



…希望?



もう終わり?


一体、何を言っているの?



「どういうことなの直也!?答えなさいっ!!あなたは何を知ってるの!?」



ただまっすぐに私を睨みつけながら絶望し続ける直也に問い掛けてみることにしたんだけどね。



「…きみに知る権利はないんだよ。」



直也も何も答えなかったわ。



「きみ達は真実から除外されたんだ。元成様の想いによって…きみ達は竜の牙から切り離されたんだよ。だからきみ達が真実を知る必要はないんだ…。」



…私達が切り離された?



何よそれ?


どういうことなの?



「私達が反乱軍として離脱することを父さんは知っていたっていうの?」



あるいはそうなるように仕向けられたっていうこと?



「………。」



幾つもの疑問を感じるけれど。


直也はそれ以上何も答えてくれなかったわ。



真実を秘匿しているのよ。



「紗耶香。きみがその手で犯した罪を知る日が来ないことを祈っているよ…。」



父さんと叔父さんの二人が殺された今でも、

直也は私を責めようとしなかったわ。



憎しみを抱く瞳の色は変わらないけれど。


それでも私を断罪しようとはしなかったの。



「きみ達は除外されたんだ。だからもう罪を重ねる必要なんてない。元成様を殺した時点できみの目的は果たされたんだろう?だったらもう…争いから身を引いて幸せに生きるんだ。それが元成様の願いでもあるんだからね。」



…父さんの願い?



どういうことなのか全く理解できないけれど。


直也の瞳に復讐の意思は存在しなかったわ。



ただただ絶望だけを感じさせながら、

私の幸せを願ってくれているのよ。



「きみがこれ以上関わる必要はないんだ。だからこれからは竜崎と共に幸せに生きるといい。」



…何よそれ?



一体、何なのよっ!?



優しい言葉を告げながら私を見つめる直也は、

何もかもを諦めるような態度を見せていたわ。



「言ってる意味が分からないわ!教えなさい、直也っ!!あなたは何を知ってるの!?」


「………。」



何度も問い掛けてみるけれど。


それでも直也は答えない。


何があったのかを話してくれなかったのよ。



「きみは何も知らなくて良いんだ。その為に元成様は人柱になったんだからね…。」



…は?



人柱?


父さんが?



何のために?



「何を言っているの…っ?」



直也の言葉と父さんの行動。


それらに疑問を感じる私に対して、

直也は立ち向かおうとしていたわ。



「立ち去るんだ紗耶香。きみが争いから身を引くのなら僕は何もしない。だけどもしもまだ戦い続けるつもりなら僕がきみを止めてみせる。真実にたどりつく前に!僕がきみ達を止めてみせる!!」



叔父さんが死んで、

父さんも死んだことで組織をまとめる幹部がいなくなり、

後方の共和国軍と前方の反乱軍に包囲されて全滅の危機にある現状なのに。


それでも直也はたった一人でも私に立ち向かう覚悟を見せたのよ。



「きみを止める。それが元成様の望みなんだ…!」



ルーンを生み出した直也が私と対峙する。



「きみの幸せが元成様の最後の願いなんだよっ!!」



………。



真実を隠して何も答えないまま、

懇願するような眼差しを向けてくるのよ。



「僕にきみを傷付けさせないでくれ。そしてきみももう罪を重ねないでくれ…っ。」


「…直也っ!」


「………。」



必死に呼び掛けるけれど。


直也はもう何も答えなかったわ。



ただ静かに剣を構えて、

私の動きを見つめてる。



「直也っ!!!」


「………。」



必死に呼び掛けてみるけれど、

それでも直也は何も答えないのよ。



ただまっすぐに私を眺めているだけだったの。



…どういうことなの!?



「…ふむ。」



何も答えない直也に戸惑う私に、

竜の牙の追撃を振り切って駆けつけてくれた北条辰雄が話し掛けてきたわ。



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