部屋に戻ってきた理由
「ねえねえ、薫。」
「ん?」
甘えた声で呼び掛けられたことで、
すぐに成美に振り返ったわ。
「どうしたの?」
「お風呂に行こっ♪」
…え?
…あ、ああ。
そう言えばそんな話をしてたのよね。
成美の一言を聞いて、
部屋に戻ってきた理由を思い出したのよ。
「そうだったわね。着替えとタオルを取りに来たのよね。」
食堂で食事を終えてから直接お風呂に向かわなかったのは、
鞄に仕舞ってある着替えを取りに来たからよ。
「着替え…着替え…っと。」
「私も~♪」
鞄に歩み寄って荷物を探る私の隣で、
成美も着替えを用意してる。
そんな私達の様子を眺めていた鈴置さんがゆっくりと近づいてきたの。
「ねえ?お風呂に行くの?だったら私も一緒に行っても良い?」
「良いですよ~。」
森下さんが消えたことで一人ではお風呂に行き難かったのかな?
実際にどうかは知らないけれど。
どうせお風呂に行くのなら、
知り合いが多いほうが楽しいわよね。
「どうぞどうぞ。」
「みんなで行こ~♪」
「ありがとう。」
笑顔で応える私達を見て、
鈴置さんも鞄を漁り始めたわ。
「着替えとタオル…。」
手際よく荷物を取り出して準備を整えてる。
こうして私達は3人でお風呂に向かうことになったのよ。
「それじゃあ、行くわよ~。」
笑顔を浮かべながら歩き出す私に続いて、
成美と鈴置さんも扉に向かって歩き出す。
「行ってきますっ♪」
「お先に失礼します。」
御堂君に声をかける成美に続いて、
鈴置さんも一礼してから退室してく。
「留守番よろしくね~。」
部屋に残った御堂君に留守番をお願いすることにして、
扉を閉めた私達は船の下層に向かうことにしたのよ。




