対面
《サイド:長野淳弥》
「そこまでだっ!!」
戦場にたどり着いた俺達は、
即座に米倉宗一郎の護衛につくことにした。
「ここからは俺が相手になってやるぜ!」
竜の牙に向けて宣言してみたところで、
里沙と百花と芹澤啓輔の3人も追い付いたようだな。
「ギリギリ間に合ったわね~。」
「ホントに…ギリギリだったわね。」
里沙と百花が米倉宗一郎の左右に並んでくれている。
そして正面と背後に俺と芹澤啓輔が守りについたことで、
米倉宗一郎は前後左右を守られたことになる。
「…来てくれたのか。」
「当然です。米倉元代表を守るのが俺達の役目ですから。」
ここで米倉宗一郎を見捨ててしまえば、
御堂や姉貴に何を言われるか分からないからな。
本当に限界を感じるまでは全力で守るべきだろう。
「俺達が護衛します。」
宣言してから竜の牙と向き合う。
その直後に。
身内の姿を発見して動きを止めてしまった。
…親父っ!?
重傷を負って瀕死の様子だが、
さすがに親の顔を見間違えるはずがない。
…親父がここに来ていたのかっ!
久しぶりに見る親父の顔。
死んでいるのかと思えるほどの状態を見て動揺してしまったが、
俺の存在に気付いた竜の牙達も動揺して動きを止めている様子だった。
竜の牙の誰もが、
竜谷元成の息子である俺に気づいたからだ。
…まずいっ!
俺の正体がばらされかねないぞ!?
今はまだ米倉宗一郎に気付かれるわけにはいかない。
そのせいで一人で焦ってしまったのだが、
どうやら俺の心配は杞憂で終わりそうだった。
「…今は見逃してやろう。」
誰かが言った直後に、
竜の牙達は親父を引き連れて一斉に退却を始めてくれたからだ。




