傲慢な態度
《サイド:神崎慶一郎》
「お前だけは俺が殺す!」
「ふっ。」
憎しみを込めて告げる俺の言葉を竜谷元成は嘲笑っていた。
「お前程度では力が足りん。俺を殺すにはまだまだ力不足だ。」
…力不足か。
確かに俺に攻撃力はほとんどない。
あくまでも医師だからな。
米倉様のような高威力の攻撃魔術は使えない。
…だが。
それでも出来ることはあるのだ。
「力不足かどうかは試せばわかることだ!」
「ふっ。愚かな。」
………。
よほど自らの防御結界に自信を持っているのだろう。
余裕の態度で笑う竜谷元成には苛立ちを感じてしまうが、
だからこそ密かに微笑みを浮かべることができた。
…昔と変わっていないな。
…だが。
その余裕がお前の身を滅ぼすのだっ!!
弱者を嘲り、
傲慢な態度を続ける限り、
竜谷元成は決して逃げることを選ばないだろう。
自らの力を誇示して、
自らの力を示す為に。
竜谷元成は俺の魔術を真っ向から迎え打つはずだ。
…その傲慢がお前の身を滅ぼすと知れっ!!
絶対に直撃する魔術に全ての想いを込めて、
自ら死を受け入れることにした。
…三倉。
…朱鷺田。
そして大悟。
…お前達と出会えて良かった。
お前達と出会えたからこそ、
俺はここまで来ることが出来たのだ。
…お前達がいてくれたからこそ、俺はここまで来れたのだ!
三倉健一に救われた命。
たった3人の生存者だったが、
すでに朱鷺田秀明はこの世を去ってしまったらしい。
その結果として今では二人になってしまった俺と大悟だが、
それもまもなく最後の一人になってしまうだろう。
…大悟。
せめてお前だけでも生き残れ。
そして幸せになれ。
…それが、それが俺達の望みだ!
最後の一人になるであろう大悟の幸せを願いながら別れを告げることにした。
…大悟。
お前と出会えて良かった。
お前と友で在れて良かった。
大悟と酌み交わす酒が何よりも美味かったのを覚えている。
…ありがとう、大悟。
…そして、さらばだ。
この想いと魔力を。
そして心と魂を。
全身全霊の全てを力に変えて竜谷元成の死を願おう。
「仲間達の想いを受け継いで、お前だけは俺の手で死に至らせる!!」
「ふっ。出来るものならばやってみせるがいい。」
「ならば受けてみろ!!」
余裕の態度を崩さずに向き合う竜谷元成に、
もう一つの禁術を発動して見せた。




