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THE WORLD  作者: SEASONS
4月21日
1800/1862

上位部隊

「何だっ!?」



突然の出来事に戸惑いながらも

即座に里沙と百花を引き寄せて周囲の様子を探る。



そんな俺の行動に芹澤啓輔が怒りの表情を向けているような気がするが、

今はそこまで気にしていられる余裕がない。



…何が起きているんだ!?



今も町の各地から次々と爆発音が響き渡っていて、

急速に燃え広がる炎によってグランバニアの町が瞬く間に火の海に包まれていく。



火事が起きたのか!?



…いやっ!



これは放火かっ!!



周囲への警戒を強める。


里沙と百花を抱きしめながら燃え上がる町を見回してみるが、

見える範囲に放火犯の姿は見えない。



…ちっ!



相当訓練されてる連中ってことかっ!



火の手は数か所から上がっている。


間違いなく魔術による放火だ。


なのに犯人の姿はどこにも見えない。



これらの情報から考えられる可能性は一つしか思い浮かばなかった。



…すでに撃退済みって言う話だったが、再び攻め込んできたのか!?



おそらく襲撃犯は竜の牙だ。



「まずいぞ!?火の手の勢いが強すぎるっ!」



ジェノスでさえもここまでの攻撃は受けなかったはずだ。



「これって…町が襲われているの!?」


「…だろうなっ!!」



恐怖を感じて怯える里沙をしっかりと抱きしめる。


グランバニアの町の大通りで里沙と百花を守りながら気持ちを戦闘に切り替えた。



「ジェノスと同じだ!敵が来るぞっ!!」



町の東門を突破して大通りを駆け抜ける敵部隊を発見したことで即座に里沙と百花を後方に下げる。



「下がれっ!俺が迎撃するっ!」



二人を残して迫り来る敵部隊に駆け出すと同時に魔術を詠唱して攻撃態勢に入る。


その間に敵部隊も魔術の詠唱を開始している様子だった。



…ちっ!



やっぱり、竜の牙かっ!!



昨日の時点で襲撃に失敗して逃走したという話だったが、

どう考えても残党と言える規模じゃない。



ここにいるだけで50人はいるように思えるからだ。



だとすれば町全体でどれだけの数が集まっているのだろうか?



…ちぃっ!!



敵部隊の正体を判断した瞬間に後悔を感じてしまう。



…さっさと仲間達と合流するべきだったな!



里沙達の妨害によって行動が遅れたのは間違いないが、

全ての行動が後手に回っていることに気づいてため息を吐いてしまった。



…色々と言いたいことはあるが、今は歎いても仕方がない。



過ぎたことはどうにもならないからだ。


だったらまずは敵を一掃するしかないだろう。



「エクスカリバー!!!!」



詠唱を終えて即座に魔術を展開する。


放ったのは風系最上級魔術だ。



無数の風の刃によって竜の牙の迎撃を試みたのだが、

防御結界を展開した竜の牙は俺の放った風の刃をあっさりと防いでしまう。



…くそっ!



これまでの雑魚とは格が違うようだな!



統制のとれた動きで迫る竜の牙の実力に焦ってしまったことで、

再び里沙と百花が駆け付けてくれたらしい。



「私達も戦うわっ!」


「長野君一人では荷が重そうね。」



気合いを入れる里沙に対して、

どこまでも冷静な百花。


そんな二人の協力に感謝しようとは思わない。


それどころか怒鳴り返したい気持ちだった。



「待てっ!お前達で立ち向かえる相手じゃない!ここは俺が抑えるから、その間にお前達はさっさと逃げろっ!」



どうせなら援軍を呼んできてもらったほうが有り難い。


そのために里沙と百花の協力を拒絶してから単独で竜の牙に立ち向かおうとしたんだが、

迫り来る数十名の竜の牙に対して俺一人で足止め出来る自信はなかった。



…だがそれでも、今は時間を稼ぐしかねえっ!!



「ダンシング・フレア!!!」



必死に魔術を展開して攻撃を試みる。


だが、炎系最上級魔術でさえも竜の牙は即座に相殺してしまう。



…あいつら!



竜の牙の上位部隊かっ!?



各町で使い捨てにされたような下級の兵士達ではなく、

実力が認められた上級の兵士達としか思えない。



だとすれば敵の実力は単独で今の俺に匹敵するはずだ。



…さすがに力を封印した状況だと足止めすら出来ないぞっ!!



逆に言えば力を解放すれば十分に対処できる範囲内でもある。



…迷ってる暇はないかっ!



急いで指輪を抜き取ろうとしたんだが。



「…ちっ。気に入らないな。」



その前に芹澤啓輔が歩み寄ってきた。




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