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THE WORLD  作者: SEASONS
4月21日
1799/1879

面倒な役目

《サイド:長野淳弥》



グランバニアの町の東部を歩く。


個人的な用があって一人で行動しようとしていたんだけどな。



「ちょっと淳弥っ!一人でどこに行くつもりなのよっ!?」



大きな声で叫びながら追い掛けて来るやつがいて思うように行動できずにいた。



…ったく。



なんで俺についてくるんだ?



不機嫌な態度で追いかけてくる人物が邪魔過ぎてあからさまに面倒臭そうな表情を見せてしまったんだが、

それでも出来る限り穏便に済ませるために冷静に対応しておくことにした。



「だから何度も言ってるだろ?この町にいる知り合いに会いに行くだけだ。用が済めばすぐにグランパレスに戻る。」



さっきから何度も同じことを伝えているんだが、

それでも俺を一人にはしてくれないらしい。



それどころか面倒なやつにくっついて、

もう一人いる意味が分からない。



「百花。お前までついて来なくて良いから、さっさと里沙を連れてグランパレスに戻れ。」



そうしてくれれば俺もさっさと目的を終えてグランパレスに帰れるんだが。



「私は里沙の護衛だからどこにでも着いていくわよ。」



適当にあしらおうとする俺を気にする様子もないまま淡々と告げてくる。



「それにね。忘れてはいないと思うけれど…。あなたも『その役目』を担っているのよ?」



…はあ?



それこそ迷惑な話なんだけどな。



どうあっても俺を巻き込もうとする百花は、

俺と向き合いながらもさりげなく後方に指を差している。



…いや、まあ、気付いてはいるんだけどな。



百花の指先を追って、

さらにその先へと視線を動かしてみる。



…ったく。



どいつもこいつも面倒だな。



百花が示すその先には、

里沙を追い続ける芹澤啓輔の姿が見えるからだ。



無言で里沙の後を追う芹澤啓輔の行為そのものがすでに危険な行動なのだが、

説得して話が通じるような相手じゃないからな。



今ここにいる里沙や百花と同様に、

何を言っても俺の話を聞こうとはしないだろう。



…芹澤啓輔も厄介だが、今は里沙と百花も邪魔なんだよ。



今の俺には一人で行動しなければいけない理由があるんだが、

護衛の戦力として俺の力を必要としている里沙と百花を無理に追い返すことも出来ない。


そして里沙が俺の側にいる限り、

芹澤啓輔を追い返すことも不可能だった。



…マジで今はこいつらに構ってる暇がないんだけどな。



グランバニアの町に潜んでいる反乱軍の仲間達と連絡を取り合う為に単独で行動しようとしていたんだが。


俺の予定はあっさりと打ち砕かれてしまっている。



…こいつらがいる限り、仲間達と合流することが出来ないんだよ。



今はまだ竜の牙や反乱軍との関係を知られるわけにはいかないからな。


里沙や百花もそうだが、

米倉宗一郎に尻尾を捕まれるような失敗は絶対に出来ない。



現状ですでに俺と竜の牙の関係に気付きつつある米倉宗一郎に、

これ以上の判断材料を与えるわけにはいかないだろう。



…ったく。



どうしようもなく面倒だが、

まずはこいつらを追い払わないことには仲間達と合流できないどころか情報収集すらまともに出来ないことになる。



…諦めてグランパレスに戻るか?



今すぐに仲間達と合流しなければいけないわけじゃないからな。


出来れば早いほうが良いが、

あとで出直したところで大きな問題はないはずだ。



…今はまだ里沙達に気付かれるわけにはいかないから諦めるか。



姉貴や竜崎慶太が米倉宗一郎と話し合うことになれば、

それ以降は自由に活動できる予定なんだが。


それまで目立つ行動は避けるように指示を受けている。



…明日に出直すしかないな。



大人しく反乱軍との合流を諦めようとしたんだが。


芹澤啓輔から里沙と百花に視線を戻して二人に話し掛けようとしたその瞬間に、

突如として町の各所から一斉に大規模な爆音が鳴り響いてきた。




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