最小限の被害
《サイド:米倉宗一郎》
…さてさて。
問題はこれからどうするかだな。
魔術大会の会場となるグランパレスの3階。
一時的に会議室として使用することになったこの部屋には多くの仲間達が集結してくれている。
俺の補佐をしてくれている慶一郎や、
この町に待機していた陸軍の幹部達。
そして学園やギルドの責任者達だ。
すでに到着している近隣の町からの伝令部隊によって最低限の情報も届いている。
もちろんグランバニアの現状も把握済みだ。
…ひとまず。
この町の幹部連中はほぼ全員生存していたことが不幸中の幸いだな。
グランバニアの知事も。
学園の関係者も。
ギルドの関係者も。
陸軍の関係者も。
治安維持部隊の関係者も。
多少の死者は出ているようだが、
他の町と比べれば被害の規模はごく僅かであり、
一般への被害も最も少なかったと言えるだろう。
偶然と言えるかどうかは分からないが、
ミッドガルム方面の国境に陸軍を派遣するつもりで部隊をかき集めていたことが最大の勝因だったのではないだろうか。
…そういう意味で言えば。
ジェノスも御堂君達のおかげで被害は少なかったほうだろうな。
グランバニアと比べればかなりの死者が出ているものの。
他と比べればマシと言える範囲なのは間違いない。
…だからこそ他の町の被害は深刻なのだがな。
ため息を吐きながら時計に視線を向けてみる。
見つめる先にある時計の針は、
まもなく午後4時に差し掛かろうとしていた。




