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THE WORLD  作者: SEASONS
4月21日
1793/1878

姫の由来

《サイド:竜崎雪》



「ありがとう、雪。良く頑張ってくれたね。」



優しく声をかけてくれるお兄ちゃんの言葉を聞いただけで、

私も泣いてしまいそうな想いを感じました。



「ただいま…お兄ちゃん。」



優しいお兄ちゃんの笑顔が見れたことを、

とても幸せに感じられたからです。



「ちゃんと帰って来れたよ。」



多くの犠牲と引き換えになってしまったけれど。


お兄ちゃんの傍に戻ってこれたんです。



…帰ってこれたんだよ。



私を守る為に多くの仲間が犠牲になった事実は今でも忘れることなんて出来ないけれど。


それでもお兄ちゃんの傍に戻ることが出来たんです。



「ごめんね。お兄ちゃん。」



私を信頼してくれたお兄ちゃんの期待に応えられなくて、

多くの仲間を死なせてしまった結果には私も罪悪感を感じていました。



「ごめんなさい…っ。」



目の前で仲間を失ったことで、

お姉ちゃん以上の責任を感じているんです。



「私を守る為に、みんなが…。」



沢山の仲間が犠牲になりました。


反乱軍の指揮官である『お兄ちゃんの妹』の私を守るためにです。



ただ妹だというだけの理由で、

みんなは私のことを姫と呼んでくれます。


一応、お姉ちゃんが女王の称号をもっているということで、

妹の私が姫と呼ばれたことが最初のきっかけでしたけれど。


今では仲間の誰もが私を姫と呼んで大切にしてくれているんです。



「私を守る為に…。」



多くの仲間が死んでしまいました。


私の生存を願って犠牲になった仲間達の想いを目の当たりにしたことで、

お姉ちゃん以上の悲しみを抱えています。



「…何も出来なかったの。目の前でみんなが死んでいくのを見ていながら、私には何も出来なかったの…っ。」



セルビナ軍の猛攻を足止め出来ただけでも戦果としては十分なのかもしれません。


だけどそれだけで喜べるような出来事ではありません。



失われた命はもう二度と…取り戻すことが出来ないからです。



「私のせいで…。」



そんなふうに思ってしまう私に、

お兄ちゃんが手を伸ばしました。


そして私の体を引き寄せて、

お姉ちゃんと同じように優しく抱きしめてくれたんです。



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