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THE WORLD  作者: SEASONS
4月21日
1790/1864

心構え

「良い返事だ。きみ達の活躍を祈る。」



僕の活躍に期待していると言ってくれた桐島さんは、

他の仲間達にも声をかけてから会議を締めくくった。



「ひとまずこれから現地に向かうことになる。最終的にどこまで出来るかは分からないが、一人でも多くの魔術師を救出する!それが唯一の目的だ!!」



魔術師を守り抜くこと。


その一点に目標を定めて行動することになった。



「全員、出発の準備を!!すぐに目的の町に向かうぞ!」



僕達に指示を出してから鞄を担ぐ桐島さんだったけれど。


何故か桐島さんは僕と康平と菊池君に視線を向けてから不満そうな表情を見せたんだ。



「…ふむ。きみ達はまだ準備不足だな。」



…ん?



準備不足?



ここまできて準備が足りないということはないと思うんだけど。


何が気に入らなかったんだろうか?



シェリルと筑紫さんと那岐さんは問題なくて僕達に足りないもの?


それが何かが分からなかった。



「何が足りないんですか?」



荷物ならある。


特に問題はないと思うんだけど?



「心構えが足りていない!」



何故か桐島さんは心構えだと断言したんだ。



…心構え?



どういう意味だろうか?



「戦場に向かうに当たって身嗜みは最低限の気配りだ!汚らしい恰好で戦場に立つべきではない!体一つで戦場に立ち向かうのだからな!せめて風呂にでも入って体を清めるのが礼儀というものだ!!死ねばその屍をさらすことになる。だからこそ最後の最後で恥じることのないように、今すぐ風呂に入ってこい!」



…えっと。



理解できるようで出来ないような?



よく分からない理由だと思う。



だけど強い口調で断言されてしまったことで、

さりげなくシェリルに視線を向けてみる。



「そういうものなのかな?」


「さあ?どうか知らないけれど、言うことを聞かないとうるさいから、ささっと入ってきたら?」



…ああ、うん。



うるさいから、か。



…なるほどね。



桐島さんという人間性を知っているからこそ、

シェリルは早々にお風呂に入って服も着替えていたらしい。



だけど僕達はずっと会議室にいたから、

お風呂に入っていなかった。



…そう言えば筑紫さんと那岐さんも入ってたかな?



「私と知美も行ったわよ。戦場がどうかは知らないけれど、入れる時に入っておかないと汗とか臭いとか気持ちが悪いから。」



…ああ、まあ、そうだよね。



否定はしないよ。


特に女の子ならありがちな理由だと思う。



実際、筑紫さんの意見に那岐さんがうんうんと頷いているしね。



…はぁ。



確かに、お風呂くらいは入るべきかな。



汚らしい恰好でシェリルの傍を行動するのは気が引けると思う程度には理解出来るからね。


だから大人しく指示に従うことにしたんだ。



「それでは行ってきます。」



率先して答える僕を桐島さんは笑顔で見送ってくれていた。



「風呂はこの部屋を出てから左側の通路を進んだ先にある。俺達は下で待っているから、しっかり体を清めてから来るんだぞ。」



会議室を出る桐島さんに続いてシェリル達も退室していく。


その結果として会議室には僕と康平と菊池君だけが残ることになってしまったんだ。



「それじゃあ、僕達はお風呂に行こうか?」



康平と菊池君に声をかけてから、

お風呂に向かうことにする。



あまりのんびりとはしていられないと考えながらも出発の準備を急ぐことにしたんだ。



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