気付けばお昼
「ここにいるのは成美だけなの?」
室内を見回してみても、
他には誰もいないのよ。
「御堂君達は?」
「えっと…他のみんなは船を降りたか、船の中のどこかにいると思うよ。」
…ん?
船を降りた?
「どういうこと?」
「えっと…ね。今はね。どこかの島に船を止めて、船の修理をしてるみたい。そのお手伝いに行った人とか、島に降りて休憩してる人とか、色々だと思うけど…。御堂さんも『気分転換がしたいから』って言って、お散歩に行ったんだよ。」
…へぇ~。
私が寝ている間にかなり状況が変化しているみたいね。
…と言うことは?
倒れてから結構、時間が経ってるのかもしれないわ。
「今は何時なの?」
「もうすぐお昼だよ♪」
…へ?
お昼?
戸惑いながらも時計を探して視線を向けてみる。
時計の針は成美の言葉通り、
午前11時43分を指していたわ。
「うわ~。結構寝てたのね…。」
倒れた時間は分からないけれど。
海戦そのものは早朝だったはず。
それなのに。
気が付けばすでにお昼なのよ。
そうなると少なく考えても…3、4時間は寝てたんじゃないかしら?
「ずっと傍に居てくれたの?」
「うんっ♪そうだよ。」
…うわぁ。
当然のように笑顔を見せてくれる成美の優しさが嬉しくて、
自然と感謝の気持ちを感じてしまったわ。
「ありがとう、成美。」
成美の頭を撫でてからベッドを降りてみる。
…とりあえず体調に問題はなさそうね。
特に気持ち悪いとか、
体がだるいとかそういう症状はなかったわ。
「私達も出掛けよっか?」
「動いて大丈夫なの?」
「ええ、もう大丈夫よ。」
「はう~。良かったよ~♪」
笑顔で答えてみたことで、
成美も喜んでくれていたわ。
…本当に可愛いわね。
ずっと傍にいてくれたことも嬉しいけれど。
成美の笑顔が見れただけでも、
生きていて良かったと思えるのよ。
「それじゃあ、行こっか。」
「うん!」
可愛らしい仕種で見上げてくれる成美と手を繋いで部屋の外へと歩き出す。
…それはそうと。
「昨日と違って、今日は船の揺れが少ないわね。」
「うん、そうだね。天気も良いから、波も少ないみたいだよ。」
…そっか、そっか。
それなら散歩のやり甲斐もあるわね。
「私達も外で気分転換しながら、ゆっくりと体を休めましょう。色々と話したいこともあるしね。」
夢の出来事や秘宝の力。
それに深海優奈さんに関しても話したいことがあるし。
「とりあえず行きましょう。」
扉を開けて通路に出る。
成美と手を繋ぎなら、
島に向かって歩きだしたのよ。




