偶然か奇跡
《サイド:鈴置美春》
「い、いえ…っ。私は何もしてませんから…。」
恥ずかしそうに俯く成美ちゃんだけどね。
私としても若干、申し訳ない気持ちだったりするわ。
「たまたま上手くいっただけで偶然ですよ。」
初めて防御結界を発動させた私にとっても、
和泉さんの救出はちょっとした実験でもあったからよ。
…もしも失敗していたら?
和泉さんを守れなかったわけだし、
感謝されると逆に申し訳ない気がするわ。
今でもまだ不確かな私の力。
自信を持ってやったことじゃなくてね。
何となく思い描いた力を発動させただけだから、
和泉さんの救出が成功したのは偶然とか奇跡とも言える結果だったと思ってる。
…もしも失敗してたら大変なことになってたわけだから。
素直には喜べないのよね〜。
たまたま上手くいっただけで、
最初から陰陽師軍の攻撃から救出できる自信があったわけじゃないの。
「運が良かっただけですよ。」
そんなふうに謙虚に答えるしかない私の反応を目にしながらも、
和泉さんは感謝の気持ちを言葉にしてくれていたのよ。
「まあまあ、偶然でもなんでも良いんじゃない?私が生きてるのはみんなのおかげだと思うから感謝してるのよ♪」
…ん~。
そういうものなのかな?
私としては納得できないけれど。
本人が喜んでくれるのなら、
それで良いのかもしれないわね。
とりあえず今は微笑んでおくことにしたわ。
「治療班として当然のことをしただけですから。」
「あははは!ありがと。」
互いに微笑み会う私達。
そんな私達のすぐ近くで、
他の特風の生徒達が御堂先輩に話し掛けていたわ。




