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THE WORLD  作者: SEASONS
4月21日
1750/1864

問題行為

《サイド:黒柳大悟》



各地でセルビナ軍の動きが注目され始めた頃。


船の北側も戦闘が一時的に中断していた。



「はっはっはっは!!!」



盛大に笑い声をあげる。


本来なら許されない行為だが、

どうしても我慢できなかったからだ。



「面白いじゃないか!」



セルビナ方面の海軍を指揮する立場であり、

今では軍を率いてセルビナ軍に立ち向かう立場なのだが。


それでも込み上げてくる笑いを堪えることはできなかった。



「あっはっはっはっはっ!!!」



周囲の視線を気にせずに。


自分の立場さえも気にせずに。


堂々と笑い声をあげてしまう。



「実に面白いっ!!」



栗原君がとった行動を笑わずにはいられなかった。



「命の奪い合いの中で、両軍全ての命を守ろうとはなっ!」



敵も味方も関係なく。


全ての生存と未来を守る意志を伝えた栗原君の行動に笑いを堪えることなどできなかった。



「はっはっは!!!」



緊張感を失って盛大に笑う。


そんな俺を西園寺君が怒鳴り付けてくる。



「いい加減にしてくださいっ!!これは笑い事ではありません!」



本気で怒鳴る西園寺の気持ちはもちろん分かる。


ここが戦場であり、

仮にも指揮官という立場にありながら栗原君の行動を笑い飛ばす俺の神経が理解出来ないのだろう。



「敵も治療なんて普通に考えれば有り得ませんっ!向こうが戦闘を続行したらどうするんですかっ!!」



真面目な表情で真剣に訴える西園寺だが、

俺としては笑いをこらえながら答えるのが精一杯だった。



「いやいや、これも一つの選択肢だろう。栗原君の行動には大きな意義があるからな。」



他の者達がどう思うかは知らないが、

俺としては意味のある行動だったと思っている。



「ひとまず先に言っておこう、西園寺君。これだけは断言できるとな。」



苛立つ西園寺君に自信をもって宣言することにした。



「おそらく戦争は止まらないだろう。栗原君がどれほど願っても、どれほど信じようとも戦争は止まらない。セルビナ軍は再び攻勢に出る。それだけは間違いない。」


「だったら尚更です!」



断言する俺に西園寺君が詰めかかってくる。



「栗原さんの行動は明らかな問題行為です!」



味方だけなら尊敬できるが、

敵も含めてしまうと笑い事ではすまされないからな。



「今回の行動によって、こちらの被害が大きくなる事態は避けられませんっ!!多くの仲間達が倒れることになるんですっ!!」



大声で怒鳴る西園寺の言葉には明らかな怒りの感情が込められている。



「栗原さんには何らかの『処分』が必要です!!」



軍人ではない為に死刑とまではいかなくとも、

それ相応の処罰は必要だと考えている様子だ。



…だが、な。



俺としてはその必要はないと考えている。



「確かに栗原君の行為には多大な問題があるだろう。だが…な。だからこそ意義があるのだ。」


「はぁ!?私には理解できませんっ!!」



…ふむ。



全力で否定する西園寺君では話し合いが進まないか。



そんな面倒な状況を察してくれたのだろうか?


何を言っても納得しそうにない西園寺と笑顔のままの俺の間に、

これまで黙って様子を見えていた藤沢君が仲裁に入ってくれた。



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