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THE WORLD  作者: SEASONS
4月21日
1748/1864

世界は変わる

数万に及ぶ命をそっと包み込む優しい光。



私が生み出した光は癒しの力となって、

傷付いた全ての人々の体を治療していく。



もちろんそれは共和国軍だけじゃなくて、

セルビナ軍や陰陽師軍も含めた全ての負傷者の体を一瞬にして治療していったのよ。



「もう誰も…傷付かなくて良いの。」



徐々に薄れていく意識を必死に留めながら、

戦場に集まる全ての人々に語りかける。



戦場を覆いつくして全ての人々を優しく包み込む光に願いを込めて、

私は私の想いを必死に訴えることにしたのよ。



「…もう止めましょう。」



こんな戦いに何の意味があるの?



沢山の人達が死んで傷付いていく。


ただそれだけの戦いに何の意味があるの?



「私達の力はね。魔術師の力は人を殺す為にあるわけじゃないわ。あなた達だってそうでしょう?陰陽師の力も殺し合う為にあるわけじゃないはずよ。それは海軍も同じよね?」



今の状況がどうかに関係なく。


最初から殺し合う為に集まったわけじゃないはずなのよ。



「だから…もう止めましょう」



今にも消えてしまいそうな意識の中で、

必死に停戦を呼びかけてみる。



この想いを力に変えて。


この想いを言葉に変えて。


必死に願いを込めたのよ。



「これ以上戦い続けても沢山の人達が死んでいくだけで何も変わらないわ。」



今ここで、どれだけ傷付けあったとしても、

戦争は終わらないのよ。


お互いに憎しみあう限り、

争いはいつまで経ってもなくならないの。



…だけど。



「だけどね?お互いに分かりあえれば…お互いを認め合えさえすれば…きっと争いはなくなるわ。」



かすれる声だけど。


今にも途切れそうな意識だけど。


それでも私は必死に願い続けたのよ。



「戦争なんていらない。殺し合うことでしか得られない未来なんて私はいらない!誰かを犠牲にしなければ得られない幸福なんて私はいらないっ!大切な人を失って、悲しい想いが残るだけの争いなんて必要ないのよっ!!」



想いと願いの全てを光に込めて、

ただただ幸せな結末だけを願う。



「争う必要なんてないはずよね?」



そんな必要はないはずよ。


話し合えばきっと分かりあえるはず。



「私は信じてる。不可能なんてないって…。ただ信じるだけで、ただ分かり合おうとするだけで世界は変わるから…。それだけで争いはなくなるって…私は信じてる。」



全ての想いをさらけ出して。


全ての願いをみんなに伝えて。


誰もが願う幸せな結末を一心に望むことで。


私は私の想いを貫き通すの。



「争いなんていらない。私はみんなが笑って過ごせる世界が欲しいの!」



全てはその為に。


その為だけに想いを込めるのよ。



「もう、止めましょう…。」



停戦を願う言葉を最後として、

ついに私の意識は途絶えてしまったわ。



魔力を失って。


ルーンも失って。


その場に倒れてしまったのよ。




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