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THE WORLD  作者: SEASONS
4月21日
1740/1879

また一つ真実に

《サイド:常磐成美》



「ねえ、ちょっと気になったんだけど。成美が沙織と美袋さんの特性を受け継いでいるとして、二人の魔術も全て使えるのなら、もしかしてルーンも発動できるんじゃない?」



…え?



「ルーン…ですか?」



薫の発言を聞いて首を傾げてしまいました。



もちろんルーンという言葉の意味がイマイチ分からなかったからなのですが、

それでも御堂さんや鈴置さんに和泉さんのルーンを見ているので薫が言いたいことは何となくなら分かります。



…だけど?



具体的にどうすれば良いのかは分からないんです。



「どうすれば良いの?」


「さあ?」



どうすればルーンが使えるのかを問い掛けてみたんですけど。


その方法は薫にも分からない様子でした。



「私もルーンなんて使えないから詳しいことは何も…って、あっ!でも、さっきの鈴置さんの話を聞いていた感じで言えば成美の心の中に答えがあるんじゃない?」



…心の中?



それだけではまだどうすれば良いのかが分からないままですけれど。


一応、瞳を閉じて自分の心と向き合ってみることにしました。



…だけど、やっぱり何も分かりません。



きっかけとなりそうな『何か』さえも思い浮かばないんです。



…うぅ~?



何も分からないので、

何気なく胸元の秘宝に想いを向けてみました。



秘宝の力があれば分かるかもしれないと思ったからです。



そうして秘宝に意識を向けた瞬間に、

瞳に宿る二人の心が暗闇の中で感じ取れました。



ねえ、お姉ちゃん。


ねえ、翔子さん。



…私はどうすれば良いのかな?



心の中で問い掛けてみます。


ですが二人の遺してくれた想いは優しく微笑んでくれるだけで、

私の問い掛けには答えてくれません。



…と、言っても。



二人の微笑みさえも私がそう思っているだけで、

本当に微笑んでいるかどうかという確証はないんです。



…う~ん?



私には何も分かりません。



それでも秘宝に手を伸ばしてみました。


服の内側にしまい込んでいる秘宝に触れてみたんです。



服の上から秘宝を握り締めてみたことで、

心の奥に潜む『何か』に気付けたような…そんな気がしました。



…今、何かが見えたよね?



秘宝に触れた瞬間に感じとった何かを探る為に、

もう一度強く秘宝を握り締めてみました。



…これ、だよね?


…なんとなく分かるよ。



何かは分からないけれど。



…そこに何かがあるよね?



心の奥底に潜む何かに意識を向けます。



…幾つもの光?


…これは何?



答えは分からなくても、

光が存在することには気付けたんです。



…この光は何?



強く強く秘宝を握り締めて、

光の正体を知ろうと思いました。



だからでしょうか?



徐々に光が強さを増して、

心の中で確かな形を象っていったんです。



…星の杖?


…金色の弓?


…輝く扇?


…虹色の弓?



複数の形を確認したことで、

ようやく私は気付けました。



…これって。



初めて目にするモノが誰のルーンなのかを知ったんです。



お姉ちゃんと…翔子さん。



二人の特性と一緒に受け継いだルーンの存在に気付けたんです。



…分かるよ。


…分かる。



何も聞かなくても。


何も知らなくても。



ルーンの全てが見えました。



…これが秘宝の力なのかな?



全てを見通す秘宝【千里の瞳】の力の一角に触れて、

私はまた一つ真実に近づくことが出来たみたいです。



ウィッチクイーンさんが託してくれた秘宝のおかげで新たな力に気付けたんです。



「…分かるよ。お姉ちゃん。」



小さな声で呟いた私は残された気力を振り絞って、

その場でしっかりと立ち上がりました。



「力を…借りるね。」


「………。」



呟く私を薫が見つめています。



「やっぱり…あるのね?」


「うん。」



薫の予想は的中しました。


輝き始める私の両手に、

薫が期待していたモノが姿を見せたからです。




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