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THE WORLD  作者: SEASONS
4月21日
1732/1864

12隻の軍船

《サイド:御堂龍馬》



一足先に船首を離れた僕は、

海軍船の南側に移動した。



…南側は3隻か。



海上に並ぶセルビナ軍の船。


陰陽師軍が乗り込んでいると思われる軍船を捕捉して静かにルーンを構える。



…この船が攻撃される前に全ての敵船を沈めてみせる!



東西南北から接近する敵船の数を推測しながら魔術を展開していく。



「セルビナ軍の艦隊は合計12隻だったかな?」



船首が向く西側には5隻の船が見えていた。


南は3隻で、東側には2隻が見える。



…ということは、北側も2隻かな?



北側だけは僕の位置からは確認できないけれど。


見える範囲での数を考慮すれば自然と答えは出てくる。



「西側は栗原さんがいるとして、東側が鈴置さんだとすると…北側は黒柳所長かな?」



真っ先に飛び出して来たから各方面の配置が分からないけれど。


それでもおおよその見当はつけることはできた。



…ひとまず栗原さんがいるのなら、成美ちゃんも西側にいるはず。



そして黒柳所長が北側に向かったのなら、

西園寺さんか藤沢さんも北に向かったと思う。



…そうなると?



合流したばかりの由香里は鈴置さんしかいない東側の援護に向かったと考えるのが妥当かな。



「鈴置さんと由香里がいるのなら東側は心配いらないだろうね。」



…とは言え。



「栗原さんと成美ちゃんだけだと西側はきつかもしれないから、出来る限り急いで戻らないと不安かな。」



栗原さんは防御力が高いけれど、

攻撃手段がないからね。


反対に成美ちゃんは攻撃力が高いけれど、

魔術の扱いそのものが初心者だ。



どちらにしても戦闘が不得意なのは変わらない。



「急いで戻ろう。」



早急に安全を確保するために攻撃の準備を整える。



「南側の船は全て沈めるっ!!」



向かい来る3隻の船の一つに狙いを定めた。



「これ以上、誰も死しなせはしないっ!!」



魔力を力に変えて攻撃魔術を発動させる。



「ジ・ハード!!!」



全力で振り抜く大剣の刃の軌道に沿って生まれるのは光の衝撃波だ。


閃光とも呼ぶべき衝撃波が艦隊の先頭を進む陰陽師軍の船を突き抜ける。



…と、同時に。



軍船の船首が吹き飛んで大きな風穴が開かれた。



「まずは一隻!」



吹き飛ばされた船首部分に海水が流れ込んでいるために、

これ以上の航行は出来ないはず。



実際に陰陽師軍が乗り込む海軍船は徐々に傾き始めている様子が見える。



「…ちっ!船がやられた!!」


「海に沈むぞっ!!」


「急いで避難しろーっ!!」



一気に混乱状態となった陰陽師軍。



もしもここが海でなければ。


あるいはここが陸地であれば。


脅威となるはずの陰陽師軍も、

船を失って海に落ちれば恐れるほどの戦力にはなりえない



例えどれほどの数を揃えたとしても、

戦えない戦力では脅威にはなりえないんだ。



「まずは船を破壊する!!」



この船を守り抜く為に。


そして多くの仲間達の命を守る為に。



「セルビナ艦隊を壊滅させるっ!!」



敵船から次々と放たれる陰陽術を目にしながらも、

一歩も引かずにルーンを構えて立ちはだかる。



「この船は守り抜くっ!!」



今もまだ続く救助作業を続行させる為に徹底的に攻撃を続けるしかない。



「ジャッジメント!!!」



新たに展開したのは、

かつて最も得意としていた魔術だ。



ルーンの尖端に幾十もの光が生まれる小さな星の煌めき。


それらが円を描くように回りだして、

徐々に円の大きさを増していく。



そして瞬きほどの瞬間で僕の体を覆い隠すほどの大きさになった。



「全てを吹き飛ばす裁きの力!」



星の煌めきが陰陽術に向かって降り注ぐ。



無数に放たれる幾千にもおよぶ星の煌めきが全ての陰陽術を撃墜してセルビナの軍船にまで襲い掛かる。



それでもまだ止まらない魔術は、

僕の魔力が続く限り攻撃を続けていく。



魔術の核を破壊しない限りは決して止まることのない攻撃によって幾千もの陰陽術を吹き飛ばしながら、

2隻目の船体に数えきれないほどの風穴を開けていった。



「くそーっ!この船もダメだっ!!!」


「急いで避難しろーーっ!!!」



海に沈み始める軍船。


2隻目も沈み始めたことで、

最後の3隻目に狙いを定める。



「容赦はしない!全ての船を海に沈めてみせるっ!!」



展開したままのジャッジメントの軌道を修正して最後の船に狙いを定める。



「僕が生きている限り!もう二度と仲間を殺させはしないっ!!」



大切なモノ全てを守り抜く為に戦い続ける。



…戦場で倒れていった仲間達の想いを叶える為にも!



僕も全力で戦い続けた。



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