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THE WORLD  作者: SEASONS
4月21日
1731/1888

裏切者の血

認めたくないと思ってみたところで現実は変えられないわ。



どれほど否定しても…私には竜崎一族を駆逐した竜谷の血が受け継がれているから。



だから私自身は慶太の味方だとしても、

私の名前は反乱軍が倒すべき一族の名前になるの。



…だからこそ。



竜崎一成様を殺害して竜の牙を乗っとった一族の名前を捨てて、

別の名前を名乗ることで竜谷一族と決別したんだけどね。



だけどそれでも、

ウィッチクイーンの呼び名だけはそのまま残したわ。



私こそが『魔女の女王』だからよ。



…偽りの竜の牙にウィッチクイーンは名乗らせないわ!



最強の魔女だけが冠する称号。


ウィッチクイーンの名前だけは誰にも譲れないのよ。



例え竜の牙から離反したとしても。


例えその称号が反乱軍にとって倒すべき一族の名前だとしても。



これだけは名乗り続けるつもりでいるの。



…この称号だけは誰にも譲れないわ。



4年前の竜の牙との戦いにおいて、

唯一私の味方をしてくれた母から受け継いだ称号。



だからこそ全ての魔女の頂点に立つ女王の称号だけは誰にも譲れないの。



…私の名前は長野紗耶香ながのさやかよ。



今はもう竜谷紗耶香りゅうこくさやかではないわ。



かつては竜谷紗耶香りゅうこくさやかと名乗っていて、

弟の淳弥は竜谷淳弥りゅうこくあつやだったけれど。



今は竜谷の名を捨てて、

母方の性を名乗っているの。



強くて。


優しくて。


誰よりも気高い存在だった母の名を名乗っているのよ。



…長野紗耶香が私の名前で、私の誇りだから。



誰よりも尊敬する母から受け継いだ長野の名前とウィッチクイーンの称号だけは他の誰にも譲れないわ。



それが私の意地で、誇りでもあるからよ。



…だからこそ。



私には竜谷一族を滅ぼす責任があると思ってる。



竜谷の一族の末裔として。



…私が竜谷一族を滅亡させるわ。



そしてこれからは長野紗耶香として生きていくのよ。



…竜の牙の名を汚した一族の責任は私がとる。



母の名を受け継いで父を殺す。


そして反乱軍として最後まで戦い抜くつもりでいるの。



…父さん。



父さんだけは私の手で殺してあげるわ。



実の父に向ける殺意。


だけどこれは憎しみではなくて悲しみだと思ってる。


狂ってしまった父を止められなかった自分に対する悲しみでもあり、

母を犠牲にしてしまった自分への怒りでもあるから。


それらの感情を憎悪として抱えるのではなくて、

私自身の定めとして全てを受け入れたの。



…少なくとも。



母さんが愛した父さんを憎むことは出来ないわ。



例え母を殺したのが父だとしても、

私を愛して育ててくれた過去の全てを否定することまでは出来ないのよ。



…私はただ。



あの頃の父さんに戻ってほしいだけなの。



…だけどもしもそれが無理だとしたら。



もう二度とあの頃に戻れないのなら。


その時は私が全てを終わらせる。



そのために戦い続けると決めたからよ。



…倒すべきは竜の牙。



そして実の父親。



…ねえ、父さん。



父さんは私が殺してあげるわね。



父の暴走を止める為に。


母の想いを無駄にしない為に。



…竜谷一族に滅亡を。



それが私の生きる意味なの。



…次に出会う時が、父さんの最期よ。



いずれ訪れる別れの時を想いながら、

この手で願いを叶える為に私は今を生きていく。



愛する母の想いを叶える為に。


愛する慶太の未来の為に。


愛する妹の雪の為に。



そしてたった一人の家族である淳弥の為に。



過去の全てを受け入れて、

未来に想いを馳せながら今という時を生き続けているの。



大切なモノを守る為に。


心に秘めた願いを叶える為に。



…私は反乱軍として生きていくのよ!!



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