四方の守り
「ようやくたどり着いたぞっ!!」
ひとまず最初の目的を果たすことは出来た。
周囲にはまだまだ残存するセルビナ軍だが、
一直線に目的の場所を目指した俺達はついに別動隊との合流を果たしたのだ。
…問題はここからどうするか、だな。
すでに3隻が海に沈み、
残る2隻も沈没寸前の状況だ。
数千の魔術師達が海に落ちた中心にたどり着いたものの。
どれだけの仲間が救出できるのかは、
ここからの判断にかかっていると言えるだろう。
「海に落ちた仲間達の救助を急げっ!!一人でも多くの仲間を守り抜くんだっ!!」
俺の指示によって船の側面に待機していた海兵達が一斉に海面へとロープを投げ込んでいく。
「「「「ロープに捕まれっ!すぐに引き上げるっ!!」」」」
船の各地から響く声。
孤立していた先行部隊との合流を果たした俺達は急いで救出作業を開始したのだが、
この行為は危険との隣り合わせでもある。
「残存する陰陽師軍の艦隊12隻が、こちらに狙いを定めています!!!」
…だろうな。
見張り台から届く報告を受けた俺は、
御堂君と鈴置君に指示を出すことにした。
「すまないが救出作業のためにこの船はここから動けない。その間にきみ達は船の後方に回り込んで背後からの攻撃に備えてもらえないだろうか?」
「はい!それでは僕は南側の守りにつきます!」
船の防衛を願ったことで御堂君は即座に動き出してくれた。
そしてそのあとすぐに鈴置君も行動しようとしていた。
「それじゃあ、私は東側に行きます!」
「待って!私も行くわ!!」
走り出そうとした鈴置君を追って、
和泉君も手を貸してくれるようだ。
「私も手伝うわ!」
「あ、はい。お願いします!」
和泉君の協力を快く受け入れた鈴置君は、
二人で船の東側に向かって走り去って行った。
これで御堂君は南側に、
鈴置君と和泉君は東側に向かったことになる。
…残りは2か所だな。
それぞれの方角を眺めてから、
ここの守りは常盤君と栗原君に委ねることにする。
「残る12隻の軍船に包囲された現状での脱出は容易ではないが、ここを動けば多くの仲間達が命を落とすことになるだろう。すまないが、きみ達はここで陰陽師軍の攻撃を防いでほしい。」
「あ…はい。何とかしてみます。」
「うむ。あとは頼んだ。」
ここは栗原君に任せて、
俺も配置につくことにしよう。
「俺は北側に向かう。すまないが、ここは頼む。」
西側に向く船首の守りを委ねて走り出そうとしたところで、
藤沢君が駆け寄ってきてくれた。
「所長!私も同行しますっ!」
「ああ、頼む。」
藤沢君と合流して北側に向かう。
その結果としてこの場の守りを任された栗原君は、
傍にいる常盤君に振り返っていた。




