海面に広がる血
《サイド:常磐成美》
「行きますっ!!」
心に思い浮かぶ魔術を信じて私も戦うことにしました。
…お姉ちゃんの力を借りるね。
瞳に宿る力を引き出して、
お姉ちゃんの魔術を展開します。
…マスター・オブ・エレメント。
両手を広げて展開する魔術は、
御堂さんや薫や藤沢瑠美さんの協力を得て身につけた魔術です。
まだまだ魔術の理論や技術に関しての理解が追いついていない私ですけど。
それでも一度発動した魔術なら何も考えなくても発動できるようになっていました。
…分かるよ。
…お姉ちゃん。
具体的な理論ではなくて心で感じるんです。
言葉では言い表せない不思議な感覚に魔力を乗せることで自然と魔術が発動してくれました。
「私も戦います!!」
お姉ちゃんがそうだったように。
翔子さんがそうだったように。
私も戦いたいと思います。
「マスター・オブ・エレメント!!」
魔術名を叫ぶのと同時に現れる5色の光。
白、黒、赤、青、黄の五つの光が目の前に現れました。
…もう誰にも死んでほしくないよ。
想いを込めて放つ魔術。
私の魔術も接近していた陰陽師軍の船に直撃して一つの大きな風穴を開けました。
船の壁面を破壊するほどの攻撃によって、
セルビナの軍船が急激に沈んでいきます。
「「「逃げろーーーっ!!!」」」
「「「海に飛び込めーーーっ!!!」」」
沈む船から逃げる為に次々と海に飛び込む陰陽師の方々ですが、
海に落ちて無防備になったところを共和国軍の方々が狙いを定めていました。
「魔術を打ち込めーーっ!!!」
黒柳さんの合図によって、
数百名の魔術が一斉に放たれたんです。
「「「「「フレア・アロー!!!!」」」」」
「「「「「エクスカリバー!!!」」」」」
「「「「「サンダー・ストーム!!!」」」」」
次々と放たれる魔術は炎から雷、氷、風、光、闇と、ありとあらゆる属性のようで、
魔術が一つ発動する度に海に落ちた陰陽師が殺されていきました。
そうしてゆっくりと海面に広がっていく真っ赤な血。
2隻の船から逃げ出した2000名の陰陽師が次々と海の底へと沈んで行ったんです。




