聖域結界
「「「「「急々如律令!!!!」」」」」
私達が乗り込む巨大軍船の前方を遮る2隻の軍船から陰陽師達の声が一斉に響き渡る。
そして2隻の軍船に乗り込んでいる陰陽師達が、
私達の船に狙いを定めているのが見えたのよ。
護符に念を込めて術式を完成させる陰陽師達が全速力で突撃を試みる私達の船を撃沈させる為に陰陽術を放とうとしてるみたい。
「「「「「閻魔煉獄!!!」」」」」
陰陽師によって放たれたのは火炎放射とでも言うべき巨大な炎だったわ。
魔術として格付けするなら最上級は間違いないでしょうね。
威力も見た目もダンシング・フレアに近いものがあるわ。
…だとしたら。
これが陰陽師にとって最高位の炎なのかも?
実際にどうかなんて知らないけれど。
放たれた炎が巨大軍船に迫っているのよ。
「攻撃が来るわよっ!!」
迫り来る炎を見た栗原さんが即座に反応してる。
「成美っ!!全力で炎を防ぐわよっ!」
「はいっ!」
栗原さんの指示を受けて結界に意識を集中させる常盤さん。
迫り来る膨大な数の炎に対して、
二人は全力で結界を展開していたわ。
「「エレメント・ガード!!」」
発動したのは単一の属性に対する防御結界よ。
二重に作られた結界を船の全面に展開して、
二人は迫り来る炎を防ぎ切るつもりのようね。
「この程度なら…っ!」
必死に炎を押さえ込む栗原さんだけど。
陰陽師の攻撃は止まらないみたい。
「「「「「急々如律令!!!!」」」」」
再び攻撃を行おうとする陰陽師達が護符を構えて、
巨大軍船に狙いを定めようとしているのよ。
その様子に気付いた私も動き出すことにしたの。
…う~ん。
イマイチまだ力の使い方が分からないけどね。
…でも、ね?
さっきの実験でおおよその検討はついているのよ。
陰陽師の攻撃から和泉さんを守り抜いた力。
それは心に感じる感覚通り、
あらゆる力を打ち消す能力だって思うの。
…まあ、それがどこまで通用するかは疑問だけどね。
それでも陰陽術を防げることは実証済みなのよ。
さすがに御堂先輩の力までは無理だとしても。
…それなりには役に立てるかな?
希望的観測を抱きながらルーンを構えて扇を開いてみる。
「そうね~。こういう場合は…。」
自分の心に思う力を発動させる為に、
魔術の名前を言葉にしてみたの。
「サンクチュアリ…かな?」
聖域という名の魔術を展開することにしたのよ。
「私も陰陽術を防ぎますので攻撃はお願いします。」
宣言してから独自の魔術を発動させてみる。
「サンクチュアリ!!!」
防御魔術を発動した直後に煌めく光が溢れ出して、
私達が乗り込む巨大軍船が柔らかな光に包まれたわ。
…うぅぅぅ。
さすがに船全体は魔力がきついかも?
一気に消費された魔力。
魔力の大半を消費して船に防御結界を展開した直後に。
「「「風神招来!!!」」」
「「「雷神逆鱗!!!」」」
前方から迫る2隻の軍船から新たな陰陽術が放たれる。
四方八方から突風が吹き荒れて、
数え切れないほどの落雷が巨大軍船に襲い掛かってきたんだけど。
…うっわぁ
目の前で消失した陰陽術を見て、
防御に成功したのを実感したわ。
「やれば出来るものね~。」
陰陽術を完璧に防ぎ切った結果に満足しながら結界を解除してみると。
入れ替わりに和泉さんと常盤さんが攻撃魔術を展開したのよ。




