光のおかげ
《サイド:和泉由香里》
…お!?おぉ~っ!
…やっっっっった~~~!!
突然、海が凍り付いた現象を見て即座に喜んでしまったのよ。
「気付いてくれたのねっ!!」
逃走の為の道が出来たことで喜んだ私は、
ルーンと荷物を抱えながら全速力で軍船に向かったわ。
「あと少しっ!!」
必死に走り続けたのよ。
だけど御堂君達の攻撃によって狙いを変えた陰陽師軍の艦隊が背後から迫って来てるみたい。
「うあああ~~~!!間に合って~~っ!!」
とにかく走り続けてみる。
だけど私の後方から陰陽術が放たれようとしていたわ。
「「「「「急々如律令!!!」」」」」
…あうぅぅ~。
後方から聞こえてきた声のせいで、
再び絶望的な気分になってしまったの。
「もう間に合わないかもっ!?」
目指す軍船まではおよそ500メートル。
どれだけ急いでもすぐには到達できない距離なのよ。
「無〜〜〜〜理~~~~~っ!!!」
絶望を感じて焦るに陰陽術が降り注ぐ。
…さすがに死ぬぅ~!!
声さえ出せずに怯えてしまったわ。
それでも懸命に走り続けたけれど。
無情にも陰陽術は迫って来るのよ。
…私の人生、終わったわね。
あと少しの距離が届かなかったのよ。
…まあ、溺死よりはマシかも?
そもそも死にたくはないけれど。
一番惨めな死に方が回避できるのならまだ良いかな?なんて思った直後にね。
一筋の光が私の体を包み込んだのが見えたの。
…何、これ?
今まで経験したことがない不思議な輝きを放つ光に包まれて思わず立ち止まってしまったのよ。
…な、何なのっ!?
焦る私に陰陽術が降り注ぐ。
幾つもの炎。
そして降り注ぐ雷。
それらの熱によって周囲の氷が熔け始めていたけれど。
私自身は炎から突き抜けて脱出することに成功していたわ。
「あれ…?生きてる?」
助かったことに疑問を感じてしまう。
数え切れないほどの炎を浴びたにも関わらず、
結果的に火傷一つ負うことがないまま炎からの脱出に成功していたから。
「もしかして…この光のおかげなの?」
詳細不明の光に包まれながらも再び軍船に向かって走りだして無事に船に接近出来たわ。
「た、助かった〜〜〜~っ!!!!」
全力で喜びを表現しながら船に乗り込む。
そんな私を御堂君が出迎えてくれたのよ。
「ははっ。無事で良かったね。」
「ええ!来てくれて助かったわ!!もう少しで溺れて死ぬところだったから…っ。」
それだけは嫌だったのよね~…なんて笑う私の無事を確認したのかな?
誰かが魔術を解除していたわ。
その瞬間に私の体から消え去る不思議な光。
私を包んでいた防御結界が消え去ったことで、
ようやく私は私を助けてくれた人が誰なのかを把握出来たのよ。




