最善を尽くします
《サイド:御堂龍馬》
ついに本格的な海戦が始まる。
「総員戦闘準備っ!相手は陰陽師の部隊だっ!!決して油断するなっ!!」
全力で叫ぶ黒柳所長の指示をきっかけとして、
僕達も戦闘に意識を戻すことになった。
…まだまだ戦いは続いているんだ。
鈴置さんの成長も重要だけど。
僕達の船の前方には陰陽師軍が乗り込む艦隊が存在している。
軍船の数は20隻だ。
陰陽師の艦隊に取り囲まれてしまったことで、
5隻あったはずの共和国軍の船はすでに2隻が海に沈んでいる。
そして現在も1隻が沈みつつあり、
残る2隻が必死の抵抗を試みているところだ。
「急ぐぞっ!!!」
ルーンを構える黒柳所長の傍にいる僕と鈴置さんもルーンを構える。
緊張感が漂い始める船上。
アレクサンダーを構える黒柳所長。
シャイニングソードを構える僕。
そしてホーリークイーンを構える鈴置さん。
僕達3人は船首に立って、
それぞれにセルビナ海軍の船に狙いを定めた。
「御堂君。すでに分かっているとは思うが、先程の攻撃は海に落ちた味方まで巻き込んでしまうだろうからな。力を加減して1隻ずつ敵艦を沈めてくれ。」
「あ…はい。すみません」
苦笑いを浮かべながら頷いて答える。
「最善を尽くします。」
今は控えめに答えるのが精一杯だったからだ。
…すでに失敗しているからね。
昨日の夜に黒柳所長を戦闘不能に追い込んでしまったことを思い出して、
改めて気合いを入れ直すことにした。
…ここで失敗すれば、今度は本当に誰かが死んでしまうことになる。
そうならない為には犠牲者を出さないように力の加減を考える必要があるんだ。
…全力で攻撃すれば味方まで巻き込んでしまう。
そうならないように力を抑えて攻撃しないといけない。
そのために加減して魔術を展開しようとしたところで、
背後から二人の少女が駆け寄ってきてくれた。




