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THE WORLD  作者: SEASONS
4月21日
1705/1888

単純に考えて真逆

《サイド:鈴置美春》



…そんなに似てるの?



翔子と似てるって言われること自体は別に悪い気はしないわ。


むしろ嬉しいというか、誇らしい気がするけれど。


そうは言われても自分では分からないのよね~。



…そんなに性格が似てる?



私が思う翔子はいつも元気で前向きで、

全く人見知りせずに誰とでもすぐに打ち解けられるような明るい女の子なのよ。



…それに比べると私は元気で明るいとは言い難いわよね?



変に冷静で物事を客観的に考えてしまうせいで、

翔子のように明るく無邪気には振る舞えないからよ。



人見知りはそれほどしないけれど。


だからと言って自分から率先して他人に関わろうとも思わないわ。



…だから単純に考えても真逆よね?



私はそう思うんだけど。


黒柳所長や御堂先輩はそうは思わないみたい。



「ははははっ。真剣な表情や言動は良く似ているな。」


「そうだね。良く似てるよ。真面目で一生懸命で、一途なくらいに自分の心と向き合える素直な性格を尊敬するよ。」



…真面目で素直?



私が?



…そう言われてもね~。



ただただ悩んでしまうだけなのよ。



…そもそも性格って何?



自分の心と向き合うっていうこと?


それって自分の意志を貫き通すっていうこと?


迷いを捨てて自分の意志をはっきりと持つっていうことよね?



よく分からないけれど。



翔子は愛する人の為に。


私は大切な親友の為に。



それぞれの目的は違うけれど。


私達は戦う意志を持って成長を望んだっていうことかな?



そしてそれが私達を更なる高みへと導いたって感じなのかもしれないわ。



…心を強く。



それが成長への第一歩なのかもしれないわね。



その事実に気づけたのよ。



…あ~、なるほどね~。



きっかけはともかくとして。



知らない間に翔子と同じ道を歩んでいたみたい。



翔子と似てるかどうかは分からないけどね。



でもまあ、それはそれで良いと思うのよ。



あまり深い関わりはないけれど。


それでも翔子のことを考えると心が安らぐ気がするから。



…まあ、悪くはないわ。



翔子と比較されることを不満に思う気持ちなんて1ミリもないのよ。


もう少し時間があれば本当に親友と呼べていたかもしれないし。



自分よりも遥かな高みにいたはずの翔子と肩を並べられるようになれるのならそれも良いと思うの。



…それだけ翔子がすごい子だったっていうことなんだから。



翔子と肩を並べられるのなら悪い気はしないわ。



翔子と同じ道を歩むのも良いと思うのよ。



…ただ、まあ、とりあえずはあれよね?



きらびやかに輝く扇に視線を向けてみる。


20本の骨組みに広がる光の膜が扇の形を形成しているわ。



…広げると90センチっていうところかしら?



ほぼ1メートルよね。



私の体を隠し切れる大きさには届かないけれど。


それでも十分過ぎるほど盾代わりにはなると思うかな?



ただ単に身を守れるような形が良いと考えて創造したんだけど。


実はこのルーンに関して、

一つだけ別の目的を隠し持っていたりもするのよ。



…これなら使い勝手が良いわよね~。



扇を閉じることで出来ることがあるの。


一直線の棒状の扇を見て密かに微笑んでみる。



…これなら千夏を殴り倒すのに丁度良い長さよね?



長さ50センチ。


これなら暴走した千夏を撲殺するのに丁度良いわ。


これでもうパンを無駄にしなくて済むっていうことよ。



そんなことも考えて長さを決めていたの。



…出し入れ自由な打撃武器。



ルーンって便利よね~。



そんなふうに密かに笑みを浮かべる私の想いに気付いたのかどうかは知らないけれど。


離れた場所で様子を伺っているはずの千夏の怯える様子が想像できてしまったわ。



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