私の理想の形
…えっ?
気の抜けた声をもらしながら両手に視線を向けてみる。
…何、これ?
特に何かをしたわけじゃないのよ。
少なくとも意識的に何かをした覚えなんてないわ。
…それなのに、どうして?
戸惑うばかりの私に、
黒柳所長は笑顔で教えてくれたのよ。
「ふむ。どうやらきみの意志に反応してルーンが発動しようとしているようだな。」
…え?
…ルーン!?
黒柳所長の言葉を聞いた瞬間に、
密かに心を踊らせてしまったわ。
…私のルーンなの!?
いつかは手にしたいと願っていたルーンが、
今ここで実現しようとしてるっていうことよね?
「ど、どうすれば良いんですかっ!?」
期待と不安で焦る私を微笑ましく眺めていた黒柳所長は手短に説明してくれたのよ。
「何も難しく考える必要はない。きみが想う理想の形を創造すれば良いだけだ。色も形も大きさも、その全てがきみの思い通りに形作られる。」
…私の自由に?
黒柳所長の説明を受けた私は、
自然と理想の形を思い浮かべていたわ。
…何となく、こうよね?
曖昧な形から詳細を突き詰めて、
両手の光に形を与えたのよ。
その作業は僅か数秒だったと思う。
それでもその短時間で、
私は私のルーンを作り上げることが出来たの。
…うわあ〜〜〜~。
優しい光と共に姿を見せたルーン。
これこそが私の理想の形だったのよ。
「ほう、扇か。」
私のルーンを眺めていた黒柳所長は笑顔を浮かべていたわ。




