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THE WORLD  作者: SEASONS
4月21日
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1697/1903

動かせない戦力

《サイド:黒柳大悟》



セルビナ軍の包囲網の内部を一直線に突き進む。


俺達が乗る巨大軍船は周囲の漁船を魔術で蹴散らしながら、

最も危険な状況へと追い込まれている5隻の友軍の救助を急いでいた。



…あと少しだ!



目的地はすぐそこに見えている。


陰陽の旗を掲げる艦隊に囲まれて、

沈みつつある共和国軍の船は目前だ。



すでに旗艦は海に沈む寸前で救出は不可能だが、

海に落ちた仲間達の救助はまだ間に合うはず。



「急げーーっ!!!」



船首に立って必死に漁船を蹴散らす。



「前方の道を切り開けっ!!」



味方の救出の為に先を急ぎたいのだが、

漁船の数が多すぎてなかなか思うように進めない。



すでに合流を果たした15隻の船からの援護も受けているものの。


それでも進めない状況なのだ。



…まずいぞっ!



徐々に焦りを感じてしまう。



「このままでは5隻の船と多くの仲間達の命が…っ!!」



数に限りがある共和国軍にとって、

ここで貴重な戦力を失うわけにはいかない。



…とは言え。



撹乱かくらんを目的としている漁船の抵抗によって運航速度を低下させてしまう状況に陥っている。



「ちぃっ!!」



進行方向を塞がれて思うように進めない状況のせいで抑えきれない苛立ちを感じてしまう。


進めば進むほど漁船の数が増えて、

進行方向を阻んでくるからだ。



「邪魔だーーーっ!!!」



アレクサンダーを両手で構えながら幾度となく魔術を発動させているのだが、

それでも漁船の壊滅には至らない。



…くそっ!!


…何か方法はないのか!?



必死に考えを巡らせてみるが、

思い浮かぶ答えは一つしかなかった。



…御堂君の力ならば漁船を吹き飛ばすのはたやすいのだが。



だがここで魔力を消費してしまえば、

それこそセルビナ軍の思う壷でしかない。


こちらの疲弊を狙うセルビナ海軍の思惑通り、

こちらは攻撃の術を失ってしまうことになるからだ。



…御堂君の力は温存しなければならない。



これから始まる陰陽師との戦いにおいて彼の力は必須だからな。



…こんなところで消耗させるわけにはいかないのだ!



だが、他に良い方法が思い浮かばない。



…せめて。



常盤成美君が戦力になれば良いのだが、

初陣からの活躍は期待できないだろうな。



戦力としての実力はあるはずだが、

今すぐには期待出来ないように思う。



…ちぃっ!!!


…どうすれば良い!?



焦りを募らせる。


そんな俺の様子を、遠くから眺める少女達が居たようだ。



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