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THE WORLD  作者: SEASONS
4月21日
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1686/2052

南だけ?

《サイド:梶原裕美かじわらひろみ



…うっわぁぁ~。



これは最悪の展開ね。



漁船に襲われている共和国軍の艦隊の後方。


最も共和国側に位置する最後尾の軍船に乗り込んでいた私は、

背後から迫る船団を目にして身体を震わせてしまったのよ。



「まさか、背後からも攻めて来るなんて…っ!」


「うわわっ!?これはまずいね…。」



私の隣に並ぶ男子生徒も信じたくない光景を目の当たりにして戸惑っている様子だったわ。



「こ、このままだと退路が断たれてしまうかもしれない!」



私と同じく特風に所属する彼の名前は伊倉信夫いくらしのぶ


彼も共和国側から攻め込んで来るセルビナ海軍の船団を目撃して確かな恐怖を感じていたのよ。



「急いで迎撃しないと!!」


「迎撃って言っても、どうするのよ!?」



共和国の軍船はセルビナ側に向いてるのよ?


この状況で共和国側に旋回しようと思ったら、

それなりの距離を進みながら回らなければいけないわ。


だけど前方は漁船の攻撃を受けて身動きの取れない共和国軍の艦隊が塞いでしまっているのよ?


そのせいで私達の船は旋回さえもできない状況だったの。



「船は動けない。後退も無理。この状況で迎撃なんて出来るわけないじゃない!」



船は後ろには進めないのよ。


前にしか進めないのに、

肝心の前方が詰まっているの。



「こんなのどうしようもないわ!!」



どう考えても夜が明ける前に、

夜間の間に共和国軍を迂回したとしか思えない。


それも大規模の艦隊なのよ。


共和国軍の軍船に匹敵する規模の巨大軍船が背後に回り込んでいるの。



敵の数はおよそ30隻。



近海の海を避けて遠海を経由して共和国軍の背後に回り込んだセルビナ海軍の艦隊に気付いた共和国軍は一瞬にして恐慌状態に陥っていたわ。



「東側からセルビナ軍が接近中!!!」


「敵艦隊はセルビナ海軍の主力艦隊と思われますっ!!!」


「30隻の艦隊です!!予想戦力はおよそ3万っ!!!」



…はぁっ?


…嘘でしょ!?



次々と行われる報告を耳にして絶望を感じてしまったのよ。



「3万って…こっちは総力で2万なのよ!?」



なおかつセルビナ軍には主力艦隊とは別に、

西側の海軍と前方の漁船もいるの。



それら全てを含めたら、ざっと4万を越える戦力になるんじゃない?



そうなるとお互いの戦力差は考えるまでもないわよね?


共和国軍の2倍の戦力を集めたセルビナ海軍が圧倒的に有利よ。



西と東を囲まれて、

北部のナルベウス渓谷からも漁船が迫ってる。



「この状況で退路は南だけ?」



そう思って南側を見てみたんだけど。



…うああ~。



どうやらセルビナ海軍は更なる戦力を用意していたようね。



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