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THE WORLD  作者: SEASONS
4月21日
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1684/2064

1時間ほど前

あれは今から1時間ほど前の出来事になるわ。



それまでは牽制けんせい程度の動きしか見せなかったセルビナの海軍が、

突如として共和国軍に襲い掛かってきたの。



その時点でのセルビナ軍はおよそ10隻程度の小規模な艦隊で、

20隻の共和国軍を相手に勝ち目があるような戦力ではなかったはずなのよ。



…だけど。



それでもセルビナ軍は命の危険もかえりみずに、

決死の特攻を仕掛けて共和国の軍船に突撃してきたの。



巨大軍船の共和国軍に対して、

半分程度の大きさしかないセルビナ軍の船は乗組員の数も少なくて誰もが海軍に所属する一般兵だったと思う。


そこにはまだ陰陽師が含まれていなかったはずなの。


だからその時点では無謀な特攻だと思ったわ。



…実際にね。



共和国軍は迎撃可能と判断していたし、

私が乗り込んでいる旗艦を主とした5隻の軍船をセルビナ海軍に向けて出していたのよ。



…でもね。



全てはそこから始まったの。



私達が気付かない間に、

セルビナ海軍の策略がすでに始まっていたのよ。



共和国軍は無茶な特攻を試みるセルビナ海軍の迎撃の為に、

5隻の船を艦隊から先行させたわ。



それでもまだ後方には15隻の船が控えているから、

それほど気にするほどのことはないと思っていたの。


だけど、その判断によって共和国軍は危機に直面してしまったのよ。



海戦の当初。



5隻の共和国軍に対して、

勢いを緩める気配もないまま体当たりを狙うセルビナ軍の無謀な特攻を止めるために、

私達は魔術による迎撃を行ったわ。



5隻の船から放たれたのは数千の魔術よ。


これほどの膨大な数の魔術を受けて耐え凌げる船なんて存在しないはず。


実際にセルビナ軍の船は一気に炎上して、

数多くの兵士達の悲鳴が上がっていたわ。



…だけど、ね。



それでも船は止まらなかったのよ。


船が沈む前に激突を続けるセルビナ軍によって、

炎上するセルビナの軍船が共和国軍の巨大軍船に迫ってきたの。



「させないわっ!!」



船首に立ってルーンを構えた私は海に向かって魔術を放つ。



氷壁ひょうへき!!!」



勢いよく剣を振った軌道に沿って凍てつく冷気が放たれる。


私のルーン『グラディウス』から放たれる冷気が海に接触すると同時に瞬間的に巨大な氷を生み出したの。



それはまるで流氷とでも呼ぶべき氷の塊よ。


進路を塞ぐ氷の塊によって、

炎上する軍船の行く手を遮ろうとしたの。



「沈みなさいっ!!!」



流氷に激突して強制的に動きを止められたセルビナ軍の船は私の思い通りに海の底へと沈んでいったわ。



「このまま全て止めてみせるわよっ!!」



他のセルビナ海軍の船にも狙いを定めて流氷を作り出す。


そんな私の活躍によって共和国軍の5隻の軍船は難を逃れることができたのよ。



…だけどね。



私達が戦っている間にね。


残る15隻の船もセルビナ海軍の攻撃を受けていたの。



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