たった数週間
《サイド:竜崎慶太》
…ふう。
ようやくここまで準備が整ったんだ。
この場に集まってくれた仲間達を眺めながら、
これからの予定を考えてみる。
…共和国との共闘。
そして5人の希望の保護。
最終的には竜の牙の打倒が目的にはなるけれど。
その前に最強の魔術師を味方に引き込む必要があるだろうね。
…まだまだ先が長いな。
とは言え。
これまでの日々を思えば、
目的があるだけでもまだマシだと思う。
各地に身を潜めながら竜の牙の動向を窺い、
手探りで行動していた日々とは違うんだ。
今では何をどうすればいいのかが分かっているからね。
それだけでも大きな前進だと思える。
…たった数週間だ。
この戦争さえ乗り切れば、
竜の牙を壊滅させることが出来るはず。
…それまでの我慢だ。
これまでの行動で全ての準備は整っている。
…あとは行動を起こすだけで良い。
現在、砦に集まっている反乱軍の仲間はおよそ2000人。
その誰もが竜崎一族に命を捧げる覚悟を決めた信頼できる仲間だ。
僕が竜の牙を離反すると決めた時に、
迷う事なくついてきてくれた大切な仲間達でもある。
だからこそ僕にとって彼等こそが家族であって親友であると考えている。
…みんながいるから僕はここまで来れたんだ。
幾つかの目的が望めば手が届く願いになったのは、
共に戦ってくれる仲間達がいるからだ。
生きて竜の牙を離脱して秘宝の一つを手に入れられた。
そして運よく彼女の保護もできた。
僕一人では出来なかったことが、
多くの仲間達の協力によって叶わない夢ではなくなっている。
…僕は一人じゃない。
恋人とも言えるウィッチクイーンや、妹の雪。
それに3000にも及ぶ仲間達がいてくれたから今まで戦ってこれた。
その事実だけは決して忘れてはいけないと思っている。
…みんなのおかげで、僕は僕として生きてこれたんだ。
狂ってしまった竜の牙と戦えるのは沢山の仲間達がいるからだ。
それだけは決して忘れはしない。
…みんなを守り抜いて竜の牙を壊滅させる。
それが僕の役目になる。
「竜の牙から逃げ出したあの日からもう4年が経つ。」
力に狂ってしまった竜の牙を壊滅させて本来の姿へ戻す為に、
ついに出陣を決意する時が来たんだ。
「長いようで…あっという間でもあったけれど、それももう今日までだ。これから僕達は本格的な反乱を起こす!!」
力強く語りかける僕の言葉を、
仲間達は真剣な表情で聞いてくれている。
年齢も性別も関係なく、
誰もが僕に視線を向けて僕の言葉を心に刻み付けてくれているんだ。
「狂ってしまった竜の牙を本来あるべき姿に戻す為に!そして僕達が望んだ真の平和をつかみ取る為に!!今日この日をもって僕達は『反乱軍』の旗を掲げる!!倒すべきは竜の牙だ!!竜谷と竜道寺の一族を滅ぼして竜の牙の名を奪還する!!」
「「「「「おおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!」」」」」
全力で宣言する僕の意志を感じ取って、
全ての仲間達が大声で叫んでくれた。
「竜の牙を取り戻すぞーっ!!!」
「もう二度と過ちを繰り返さない為にっ!!!」
「竜谷と竜道寺を倒せっ!!」
「魔術師の未来の為に!!!」
「全ての魔術師の為にっ!!!」
「反乱を起こせーーっ!!」
「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」
…ありがとう。
一斉に雄叫びをあげる仲間達の声を聞きながら、
僕も最初の一歩を踏み出すことにした。
「僕達の手で竜の牙を滅ぼすんだ!!今回は負けはしないっ!僕達は全ての準備を整えた!!あとは結果を信じるだけだっ!!」
「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」
宣言する僕の言葉をきっかけとして、
再び仲間達が全力で叫び始め。
…ここからが始まりだ。
気合い十分の仲間達の一人一人の表情を眺めながら出陣の合図をだすことにした。




