最後という可能性
《サイド:御堂龍馬》
「確か一番下の階層に大浴場があったはずだよ。それほど大きくはないらしいけど、ちゃんと男女別に分けられているらしいから、ゆっくり入ってくるといいよ。」
僕はまだ行ったことがないけどね。
昨日の朝に鈴置さんから一通りの説明を受けていたから、
大まかな位置関係程度は十分に把握してるつもりだ。
「階段を下りて、船の中央辺りに向かえば辿り着けるらしいよ。」
鈴置さんの説明通りなら行けるはず。
「もしかすると…しばらく間お風呂に入れなくなるかもしれないから、今日中に入っておいたほうがいいかもしれないね。」
セルビナとの戦争が始まれば、
のんびりとお風呂に入っている余裕はなくなるだろうからね。
血と汗と泥と埃を浴びながら戦場を駆け抜けなくてはいけないことを考えれば、
今のうちに入っておくべきだと思う。
…それに。
場合によっては今日が最後ということも十分にありえる。
沙織や翔子にとってもそうだったように、
今日が最後という可能性はありえると思うんだ。
…だからこそ。
「せめて今日くらいはゆっくりと過ごしたほうがいいよ。」
二人に声をかけてから席を立つ。
それから僕も荷物の中から着替えとタオルを取り出すことにした。
「僕も行くよ。」
さすがに一緒にとは言わないけどね。
「少し考えたいことがあるから先に行くね。」
気持ちの整理も兼ねて、
一人でお風呂に向かうことにしたんだ。




