撤退指示
《サイド:リン・ラディッシュ》
…えっ!?
全くと言って良いほど理解の追い付かない状況の中で、
謎の部隊を発見した私は再び足を止めることになってしまったわ。
「ちょ!?一体、何なのっ!?」
国境警備隊じゃない部隊がいるなんて聞いてないわよ!?
それに謎の部隊が撤退を始めたことも不可解だったの。
…どうなっているの!?
謎の部隊を追走して私達の部隊に接近してくる国境警備隊の姿も見えるわね。
何がどうなっているのかさっぱり分からないけれど。
突然現れた一人の女性によって戦況が大きく変わってしまったのは間違いないわ。
…一体、誰なのよっ!?
先程すれ違った女性が戸惑う私の側に戻ってくる。
さっきまでいなかったはずの見慣れない少女を背負いながら戻ってきたのよ。
その様子を見て慌てて駆け寄ることにしたわ。
「何が起きているのっ!?…と、言うか、そもそもあなたは誰なのっ!?」
必死に問い掛けてみたけれど。
「ここで無駄な会話をしてるほど暇じゃないのよ。私が手を貸してあげるから、急いでここから撤退しなさいっ!!」
少し強めの口調で言葉を返されてしまったの。
…確かに。
議論をしてる場合じゃないわね。
女性の勢いに押されて無意識のうちに頷いてしまったわ。
「撤退に協力してくれるのね?」
「そのつもりで駆けつけたんだから、さっさと逃げて残った部隊を立て直しなさい!」
一方的に指示を出して、
そのまま走り去ってしまったのよ。
…うわ〜~。
色々と気になるけれど。
話を聞ける状況じゃないのは間違いないわ。
…まずは生き残ることが優先ね。
謎の女性が率いる部隊と、
辛うじて残存している国境警備隊の部隊と合流した私達の部隊も急いで撤退することにしたのよ。




