前向きな考え方
《サイド:御堂龍馬》
…ははっ。
…森下さんって武藤君みたいな子だね。
失敗を恐れず。
結果を怖がらず。
ただ自分の目的の為にまっすぐに生きた武藤君と常に明るい笑顔の森下さんは、
どこか性格が似ているように感じられるんだ。
だから、かな?
森下さんに対しても好印象を感じてしまう。
…彼女も武藤君のようにまっすぐな子なのかな?
向かっている方向はそれぞれに異なるとしてもね。
明るく元気に目的に向かって突き進める性格はすばらしいと思うんだ。
…まあ、実際にどうかはまだ分からないけどね。
なんとなく元気な子だと思えただけだから、
まだまだ森下さんのこと分からない。
だけどだからこそ、
これから知れば良いんじゃないかな?
そのためにね。
森下さんに声をかけてみようと思ったんだ。
「前向きな考え方は僕も好きだよ。」
悩みを抱えて落ち込むよりも自分に出来ることを考えて行動するほうが大切だと思うからね。
「良いことだと思うよ。」
「ですよねっ!!」
好意的に話しかけてみたことで、
森下さんは楽しそうに微笑んでくれていた。
「先輩が分かってくれて嬉しいですっ!」
心の底から喜ぶ森下さんだけど。
「…ったく。はしゃぎすぎなのよ。」
鈴置さんは冷めた視線を向けている。
だけどね。
森下さんは全く気にしていない様子だったんだ。
「やっぱり先輩は素敵な人ですよね!」
鈴置さんの言葉をあっさりと聞き流してはしゃいでいた。
「美春と違って、とっても優しいですっ!!!!」
…えっと。
『鈴置さんと違って』という部分を強調する森下さんの言葉を聞き取った瞬間にね。
「………。」
静かにテーブルに視線を向けた鈴置さんが、
テーブルの上に残っていたパンを『がしっ』とつかみ取ってから最速の動きで『狙い』を定めていたんだ。




