海軍の派遣
《サイド:栗原薫》
「セルビナ方面に関しては到着してみないことには判断できない。戦闘が始まっているかどうかも不明だからな。今は無事だと祈るしかないだろう。」
…ふ~ん。
現地の情報は現地についてから集めるしかないみたいね。
まあ、個人的には何ができるわけでもないから焦るつもりはないわ。
戦闘が始まっていたら始まっていたで、
魔術医師として支援するだけだからやるべきことは決まってるしね。
だから気になることがあるとすれば、
マールグリナの状況くらいかな?
「セルビナに関しては現地に着いてからの確認でも良いんですけど、国内はどうなっているんですか?」
「ああ、そうだな。栗原君にこれだけは先に伝えておこうか。」
共和国の状況がどうなっているかのほうが気になるから訊ねてみたらね。
マールグリナに関する情報を教えてくれたのよ。
「マールグリナに関してはアストリア方面の海軍に連絡をとって近海にいる海軍の一部隊を町に送り込む手筈になっているそうだ。」
…おお~。
ジェノスからの援軍だけじゃなくて、
海軍の部隊も派遣してくれるのね~。
「アストリアが消滅したことでマールグリナの近辺まで船が近付けるようになったからな。ジェノスから送り込むよりも海から向かったほうが早いという判断らしい。」
…なるほど。
確かにそうかも。
私も実際に現地を確認したから知ってるけど。
ジェノスから部隊を派遣するよりも、
アストリア方面の海軍をマールグリナに移動させたほうが距離としては近いと思うのよ。
「こちらからの連絡がアストリア方面の海軍に届き次第、一部隊がマールグリナの防衛につくはずだ。」
…へぇ~。
一部隊っていうことはあれよね?
軍船一隻ってことよね?
一隻が千人乗りだから非戦闘員を除いても900人以上の海軍が派遣されることになるはず。
…これで町は安心かな。
米倉元代表の判断を説明してもらえたことで、
ほっと安堵の息を吐いたわ。
琴平学園長が命懸けでジェノスに向かった価値はあったと思えたからよ。
…あとは学園長の頑張り次第かな?
町から離れてしまった私には何も出来ないけれど。
せめて応援くらいはしたいと思うの。
…頑張って下さい。
遠く離れた場所からマールグリナに祈りを込めてみる。
…お父さんとお母さんも無事でいてね。
大切な両親の無事も祈ってみたわ。
そんな私から視線を逸らした黒柳さんは、
次に森下さんに視線を向けたのよ。




