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THE WORLD  作者: SEASONS
4月20日
1525/1593

戦力を維持しつつ

《サイド:米倉宗一郎》



…さて。



「ひとまずこれからの方針に関してだが、俺達がやるべきことは竜の牙の殲滅になる。」



国内に潜んでいる竜の牙を捜しだして全て潰すのが目的だ。



そのための方針を話し合いたいと思ったのだが、

議論を始める前に傍に控えている由美が問い掛けてきた。



「私が率いていた部隊が共和国の各町を防衛してるはずだけど、まだまだ具体的な情報は流れてきてないから詳しい状況までは分からないわ。だからまずは各町の情報を集めて各地の被害状況と竜の牙の行方を探るべきだと思うんだけど、どうする?」



…どうするもこうするもない話だな。



情報収集は必要な一手だ。



「俺も同じように考えている。まずは各町の情報を収集してから竜の牙の逃走経路を考えるべきだろう。」



…とは言え。



単純に情報を待っているだけでは、

その間の被害が避けられないからな。



「共和国の各町を一つ一つ確認しながら、徐々に西へと竜の牙を追い込んでいくべきか。」



最南東に位置するジェノスから周辺の町へと調査範囲を広げて徐々に安全地帯を増やしていけば、

最終的には最西端まで竜の牙を追い込めるはずだ。


それがセルビナ方面となると厄介な問題に発展しかねないが、

竜の牙の逃亡先がミッドガルム方面であれば、

今はまだミッドガルムとの戦闘が起きていない為に、

手の空いている陸軍と国境警備隊の協力を得られるだろう。



…あくまでも。



ミッドガルムとの戦争が起きていないことが前提での計画だが。


ミッドガルムまで動き出せば、

もはや事態の収拾は不可能になる。



戦いは泥沼の争いとなり、

共和国は内外からの攻撃によって大きな痛手を受けることになるだろう。



場合によっては共和国の滅亡も有り得る。



…セルビナとミッドガルム。


…そして竜の牙か。



それら全てを同時に相手にするのは不可能だ。


なによりもミッドガルムが本格的に動き出した時点で共和国の滅亡は決定的となる。



…何とかそうなる前に対策を考える必要があるのだが。



ミッドガルムとの戦争だけは絶対に避けなければならない。



…それでも万が一にもそうなるのであれば。



それまでに出来る限りの準備を整える必要があるだろう。



…陸軍と国境警備隊に由美の部隊。



さらには海軍と多国籍軍の部隊まで、

あらゆる戦力を集結させる必要があるだろうからな。



だが、その為にはセルビナを早々に落とす必要がある。



セルビナさえ落とせれば残る敵対国はミッドガルムだけになるからだ。


そうなれば全軍をミッドガルムへ向けられる。



1対1であればミッドガルムが相手と言えども、

互角の情勢へと持ち込めるかもしれないのだ。



…その時点でどれほどの軍が維持できているかが重要な問題だが。



アストリア王国との戦争で主要な戦力は失ってしまっている。


残る戦力もセルビナとの戦闘で疲弊して数を減らしてしまったら、

全軍を総動員してもミッドガルムに対抗するのは難しいかもしれない。



…いかに共和国の戦力を維持しつつセルビナを落とせるかが運命の分かれ道だな。



少しでも多くの戦力を残して、

ミッドガルムの動きに備えなければならないのだ。



ミッドガルムへの警戒。


そしてセルビナへの侵攻。


さらには竜の牙の追撃。



それらを全て同時に進めなければいけなかった。



…すでに厄介な状況ではあるが。



ここを乗り越えなければ共和国の平和は有り得ない。



そう思うからこそ、

今後の方針を打ち立てたいと考えている。



「ひとまず周辺の町の安全を確保しつつ、グランバニアに軍を集結させよう。国の中心であるグランバニアに布陣すれば、すぐに各地に戦力を送り込めるはずだからな。」



そのためには由美に指示を出す必要がある。



「由美は部隊を率いて周辺の町の安全を確保しつつ、グランバニアに向かってくれ。俺は特風の生徒を率いて直接グランバニアに向かう。それ以降の方針に関しては向こうで合流してから話し合おう。」


「ええ、分かったわ。だけど私達だけだと時間がかかりすぎるから、グランバニアに向かう道中でジェノスの西側の町だけでも見てくれないかしら?それだけでも十分、時間の節約になると思うんだけど。」



…ああ、良いだろう。



その程度であればそれほど時間も取られないからな。


由美の意見を受け入れることにした。



「それでは俺達は共和国南部の町を確認しながらグランバニアに向かうことにしよう。」


「ありがとう」



俺の返事を聞いた由美は即座に行動に出てくれるようだ。



「それじゃあ私は部隊を率いて東部と北部を回ってからグランバニアに向かうわ。その間に南部だけはよろしくね。」


由美は一通り全員に挨拶をしてから部屋を出て行った。



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