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THE WORLD  作者: SEASONS
4月20日
1516/1564

まさかの3番目?

「まあまあ、冗談はここまでにしておくとして、そろそろ本題に入りましょうか♪」



真剣な表情で私を見つめる美咲さんの雰囲気は、

表の顔でも裏の顔でもないような全く別の雰囲気を感じたわ。



…って!?


…まさかの3番目っ!?



刻一刻と増え続ける疑問に戸惑う私に美咲さんは淡々と言葉を続けてくる。



「それじゃあ、明日から行う乃絵瑠ちゃんの訓練について説明をするわね。」



一方的に話を進める美咲さんだけど。


危険な雰囲気は感じないわ。



本当に真剣な表情で真面目な雰囲気が漂っているのよ。



…うわ~。


…こういう顔も出来るんだ?



ちょっとした発見だったわ。



表でも裏でもない美咲さんの真剣な表情は全く別の雰囲気を放っているのよ。



…これも美咲さんなの?



『多重人格』とも思える変貌に思えるわね。



真剣な表情の美咲さんの瞳を見ていると、

不思議と瞳の中へ引き込まれて行くような感覚まで感じてしまったわ。



…これはこれで魅力的なのかも。



…って!?


…違うっ!!


…考えるな私っ!!



そんな趣味はないと自分に言い聞かせつつ、

ひとまず美咲さんの言葉に耳を傾けてみることにしたのよ。



「さっきの演習で乃絵瑠ちゃんの実力はおおよそ把握できたわ。地下での魔術もそうだけど、乃絵瑠ちゃんの行動を見ていれば何となく分かるのよ。多分、こういう子なのかな?ってね」



私は特に何もしていないのに、

美咲さんは何かを感じ取ってるみたい。



「だから、これから乃絵瑠ちゃんがどうすれば良いのか何となく分かるのよ。今の乃絵瑠ちゃんに足りないモノと今の乃絵瑠ちゃんがやるべきこと。そういうのが何となく分かるの。まあ、これも私の人生経験の賜物たまものかな?って、自分では思うんだけどね。」



…美咲さんの人生経験?



そこは謎と疑惑だらけだけど。



私とは全然別次元の世界観の経験だということだけは自信を持って言い切れるわ。



…普通じゃない独特な性格だからこそ分かる何かがあるのかな?



私には想像も出来ない世界観だけど。


もしかしたら美咲さんには見えてるのかもしれないわ。



私には見えない何かが、

美咲さんには見えてるのかもしれないのよ。



「私に足りないモノって何ですか?」



自然と美咲さんに問い返してた。


自分でも不思議なくらいに美咲さんと向き合っていたのよ。



「私はこれからどうすれば良いんですか?」


「まずは理解することね。」



…理解?



「光属性と闇属性は相反する力よ。それは事実で現実だけど、それが全てじゃないということ。」



…ん?



全てじゃないってどういうこと?



「光と闇は互いに反発するけれど、光と影は互いに調和するのよ。まずはそこを理解することが重要になるわ。」



光と闇は反発する?


だけど光と影は調和する?



「光と闇を同時に極められる魔術師はそうそういないわ。そういう特性を持つ魔術師はごく一部でしょうね。私は会ったことがないけれど、魔術大会の噂で聞く人物の名前で言うと…。」



『全属性』の常盤沙織。

『純属性』のマリア・パラス。

『万能』の上矢遥。


『融合』の美袋翔子。

『創造』の天城総魔。



「まあ、この辺りかしら?他にもいるかもしれないけれど、今のところ思い付くのはこの5人くらいかしらね?」



「それじゃあ…御堂龍馬は?」


「ん~。あの子は光が7で闇が3ってところかしら?」


「それって光に偏ってるということですか?」


「あ~、でも、違うわね。現状では光が2で闇が8ってところかもしれないわ。」



…現状?



「今は逆転してるってことですか?」


「たぶん…ね。」



…どういうこと?



美咲さんは言葉を濁していたけど。


表情は確信しているように見えるのよ。



…もしかして、分かるの?



私も魔力の波動の感知範囲はそこそこ広いほうだけど。


それでもせいぜい学園全域程度で半径3キロくらいが限界だと思ってる。



彩花や奈々香もそうだけど。


私達の中で最も感知能力が高い未来でさえも10キロ程度が限界のはず。



だけどもしかしたら美咲さんはもっともっと広範囲まで感知できるんじゃないかな?



そうじゃなかったら『現状の御堂龍馬』なんて分かるはずがないわ。


そもそもどこにいるのかさえ分からないわけだしね。



「御堂龍馬の魔力の波動が感知できるんですか?」


「さあ?どうかしらね?」



出来るとは言ってくれなかったけれど。


出来ないとも言ってくれなかったのよ。



「嘘は吐かないんですよね?」


「ええ、そうよ。」


「じゃあ、出来るんですね?」


「さあ?どっちだと思う?」



…うわぁ。



堂々とごまかされてる!?



「出来ると思います!」


「じゃあ、そういうことにしておこうかしら?」



…ええ〜〜〜〜〜っ?



確かに嘘は言わないみたい。


だけど事実を答えようともしてくれなかったのよ。



「どうして本当のことを言ってくれないんですか?」


「それじゃあ、乃絵瑠ちゃんは何もかも全てを話してくれるの?」



…うっ。



「質問はしても自分は何も言わない。それが公平な取引だと思う?」



…それは、ちょっと。



「私のことが知りたいのなら乃絵瑠ちゃんも心をさらけ出すべきよ。それが当然の条件でしょう?」



…ま、まあ、確かに?



「私は全てを教えてもいいのよ?乃絵瑠ちゃんにその気があるのならね。」



…えっと。



「まあ、無理にとは言わないわ。」



強制はしないと宣言してから、

美咲さんは一息吐いてた。



「ふう。とりあえず国内において、すぐに名前が出てくるのはこの程度でしょうね。とりあえず御堂龍馬は除外よ。彼は光と闇を極めてるとは言えないから、乃絵瑠ちゃんよりもちょっとまし程度に考えておけばいいわ。」



…学生最強の御堂龍馬でも?



ちょっとましっていう評価はなかなか言えないわよね?



…もしかしたら美咲さんってすっごく強かったりして?



「ふふっ。さあ?どうかしらね?」



否定も肯定もしない美咲さん。


その答え方はずるいと思うけれど。


間違いなく嘘は吐いていないわ。



「だからね。数え切れないほどの魔術師が在籍する共和国の内部でも、光と闇を両立させた魔術師はその程度しかいないのよ。」



数万単位の魔術師の中でも、

数えられる程度しかいないという事実。



「だとしたら…やっぱり私には無理ということですか?」


「いいえ。不可能ではないわ。少なくとも乃絵瑠ちゃんなら可能だと思ってる。」



…私なら?



「具体的な根拠があるわけじゃないけれど、何となくそう感じるのよ。それにさっきも言ったけど、光属性を極めれば必然的に闇属性も極められるはずなのよ。極めれば…だけどね。」


「えっと…それじゃあ、美咲さんも極めてる一人なんですか?」


「………。」



…あれ?



何気なく聞いてみただけなんだけどね。



何故か美咲さんは困ったような表情を見せながら、

一瞬だけ口を閉ざしてしまったのよ。



「えっと…聞かないほうが良かったですか?」


「ふふっ。そうじゃないのよ。ちょっと説明が難しいというか…説明の仕方を考えただけだから。」



…説明の仕方?



「乃絵留ちゃんでも分かる説明だと…そうね〜。魔術大会は最後まで見ていたわよね?」



…大会?



「それはまあ、もちろん。」



例え途中敗退であってもね。


試合の観戦も義務付けられているから、

観られる試合は全て見ているわ。



「それじゃあ、決勝戦も観たのよね?」


「もちろんです。」



ジェノスとグランバニアの決勝戦。


試合自体はジェノスの3連勝で終わったけれど。


一応、3試合とも見させてもらったわ。



「最後の一戦。御堂龍馬が覚醒した瞬間を覚えているかしら?」



…御堂龍馬が覚醒した瞬間?



それってアレよね?



指輪を外した瞬間ってことよね?



「美咲さんも観ていたんですか?」


「いいえ、私は仕事でここにいたから観ていないわ。」



…え?



見てないのに知ってるの!?



「実際に見なくても『話は聴こえてくる』ものなのよ。」



…えっと?



良く分からない言い方だけど。


ここがギルドだから噂話が聞けるっていう意味かな?



「まあ、今は大会自体はどうでも良いんだけど。肝心なのは指輪を外したという部分よ。」



…指輪?



「アレって何だったんですか?」


「シークレット・リング。一般的には封印の指輪とも呼ばれているんだけど。任意の能力を封印する指輪よ。」



…能力を封印?



「使用目的は人それぞれだから今の乃絵留ちゃんには必要ないし、無理に知る必要もないわね。それでも興味があるのなら学園に戻ってから聞いてみればいいわ。実物も幾つか保管されてるはずだから。」



…なるほど。



指輪自体は学園にあるみたい。



「…で、肝心の説明なんだけど…米倉美由紀もそうなんだけどね。闇の力を封じることで、光属性を手にした人もいるのよ。」



…米倉代表?



そう言えば、米倉代表は複数の属性を使えるっていう話を聞いたことがあるかも?



「この場合は両立とは言えないけどね。」



…確かに。



私の場合で言えば光を封印して闇を学ぶっていう話よね?



「私もそうだけど、力を抑え込んだ状態では極めたとは言えないと思うのよ。」



…なるほど。



確かに表現としては違うと思うし、

説明が難しいと思うのも当然かもしれないわ。



「…と言うことは?美咲さんも何かを封印してるんですか?」


「ええ、そうよ。だけどその内容は…そうね〜。乃絵留ちゃんが私のモノになってくれたら話してあげるわ。」



…うわっ!?



「ふふっ。私の人生そのものとも言える情報だから、乃絵留ちゃんにも相応の対価は払ってもらわないと…ね。」


「き、聞かないでおきますっっっっっ!」


「ふふっ。まあ、指輪の話はともかく、両立という部分でどの程度まで成長出来るかは個人差があると思うけれど、きっと乃絵瑠ちゃんなら極められるはずよ。」



確信的なことや断言できることじゃないみたいだけど。


美咲さんは直感的に何かを感じてるみたい。



…だったら信じても良いのかな?



美咲さんの直感がどこまで信用できるのか不明だけど。


今はその可能性に賭けてみるしかないのよ。



「結局、私はどうすれば良いんですか?」


「闇属性を極める為に、まずは簡単な所から始めるしかないわね。」



…簡単な所?


…そんなのあるの?



深まる疑問だけど。


美咲さんはすでに解決策を考えてるみたい。



「不安に思う必要はないわ。すでに方法は考えてあるから、それを今から説明するわね。」



心配しなくて良いと言ってから、

訓練方法を説明してくれたのよ。



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