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THE WORLD  作者: SEASONS
4月20日
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お好きにどうぞ

「張りきって用意したから、遠慮せずにお腹一杯食べてね♪」


「…あ、はい。」



すっごい笑顔で室内に引き込まれて、

テーブルの前まで連行されてしまったんだけど。



…うわっ!?


…すごっ!!



驚くべき光景を目撃してしまったのよ。



料理を用意したというテーブルの上には驚くほど豪華な料理がね。


テーブルの上に載せられる限界まで盛大に並べられていたの。



…す、凄すぎるでしょ!?


…って言うか!



絶対に食べ切れる量じゃないわよね?



呆れるほど豪華な料理なのよ。


ざっと見た感じでも、

普段私が食べてる量の軽く『30倍』はあると思うの。



…さすがにこれはちょっと。



どう頑張ってもね。


一割すら減らせないと思うわ。



…う~ん?



もしかして美咲さんって、

ものすごく食べる人なの?



一瞬だけ考えてみたけれど。


とても大食いには見えないのよね~。



…何て言えば良いのかな?



何もかもが羨ましすぎるくらい完璧な美貌を維持しているのよ。



胸の大きさなんて、

誰がどう張り合っても敵わない圧倒的存在感があるし。


細くて白くて艶やかな肌なんて、

世界中の女性に喧嘩を売ってるとしか思えないわ。



艶々でさらっさらな髪は何なの?


微かに漂う甘い香りは何?



これで本当に同じ人間なの!?



…なんてね。



ある意味で呪いたくなるほど絶世の美女なのよ。



…はあ。


…私にも分けて欲しいな〜。



男性でなくても羨望の眼差しを向けてしまうような完璧な美貌なの。


ただでさえ溢れる色気がとんでもないのに、

これで綺麗に着飾ったりしたら共和国一どころか大陸一になれるんじゃない?



…傾国の美女って実在するのね〜。



なんて、馬鹿みたいなことを考えてしまうくらいの魔性を感じるのよ。



そんな美咲さんが大食いとは到底思えないわ。



…ん~。


…でも、どうなのかな?



直接確認するのも何だか怖い気がするのよね〜。



…とりあえず、どうすればいいの?



料理を前にして戸惑ってしまったんだけど。


背後から『ポンッ』と私の肩に両手を添えた美咲さんが席に着かせてくれたのよ。



「とりあえず、座って待っててねっ♪」



…って、言われてもね〜?



私を席に案内してから離れた美咲さんは、

少し離れた場所で足を止めてる。


身につけていたエプロンを外してるみたい。


丁寧に折り畳んでからすぐに私が待つテーブルに戻ってきたのよ。



「待たせてごめんね。」


「い、いえ…。そんなことはないです。」



1、2分…と言うか30秒くらいしか待ってないと思うから謝ってもらうようなことは何もないわ。



…でもね?



時間がどうとかそんなことよりも、

ものすごく気になることがあるのよ。



私の正面に座った美咲さんが、

怖いくらい最大級の笑顔で私を見つめているの。



「…えっと~?」



どうして良いのか分からずに言葉に迷ってしまう。



だけど私を見つめる美咲さんは、

楽しそうな笑顔で話し掛けてくるの。



「好きなだけ食べて良いわよ♪」



…は?



…いやいやいや。



…えぇっと~?



「好きなだけって、言われても…?」



これって私一人で…っていう意味じゃないわよね?



絶対に食べきれない量なのよ?



あらゆる食材をふんだんに使った数々の料理は見てるだけで食欲がそそられるような色彩に溢れていて、

盛り付けを崩すことさえ勿体ないって思えるくらい完璧なの。



こんなに凄い料理を前にして『お好きにどうぞ』なんて言われてもね?



なかなか手が出せないわ。



…って言うか。


…本当に食べて良いの?



そもそもそこから疑問を感じてしまうような状況なのよ。



ほぼ他人とも言える私に、

ここまでしてくれる理由が理解できないし。


性格的にも色々な意味で怖いわよね?



…どうすればいいの?


…食べた瞬間に法外な請求とかこないよね?



「一応…聞いても良いですか?」


「ん?どうしたの?」


「食べた後でお金を払えって言われても困るんですけど…?」



用意されてる時点ですでに手遅れな気もするんだけど。



だけど。


それでも。


念のために。


確認は必要よね?



「無一文とは言わないですけど…。おこずかい程度しか持ってないですよ?」


「ふふっ。大丈夫よ。お金なんていらないわ。」



…えっ!?


…それってつまり?



お金以外の請求がくるっていう意味なの!?



「か…代わりに何を払えば良いんですか?」



食べたあとで無理な要求をされるのが嫌だから前もって聞いてみたいんだけどね。



「ふふっ。心配しなくても何もいらないわよ。」



…絶対に嘘!!


…何もないはずがないわ!



「絶対に!本当ですか!?」


「ええ♪何もいらないわ。」



………。



全く信用できないわね。



だけど嘘は吐かないって約束してるわけだから、

何もいらないっていう言葉は信用しても良いのかな?



「本当の本当に…ですか?」


「ええ、本当の本当よ。」



本当にお金の請求はされないみたい。


そして代わりの何かを請求されることもないようね。



「そ、それじゃあ…?」



美咲さんを信じてお箸を手にとることにしたの。



…でもね?



どこから手を付ければ良いのかが分からないのよ。


あまりにも量が多すぎるから。



…どうしよう?



不安がまだ消えないわ。



何気なく美咲さんに視線を向けてみると、

美咲さんは笑顔で私の行動を見つめているだけなのよ。



「美咲さんは食べないんですか?」


「ううん。ちゃんといただくわよ。だけど乃絵瑠ちゃんが食べてくれる姿も見ていたいの♪」



………。



あんまり嬉しくない発言よね?


だけど美咲さんも食べるのなら、

私だけが責任を負わなくてもいいはず。



「本当に食べて良いんですよね?」


「ええ♪」



何度も確認する私に美咲さんは笑顔で頷いてくれていたわ。



「遠慮しなくて良いのよ。全部ただで手に入れた料理だから♪」



…えっ!?


…はぁ!?



…これだけのご馳走が無料!?



普通なら有り得ないわ。


これだけの料理を用意すれば相当な金額になるはずよ。



それなのに…ただってどういうことなの?



「ふふっ。色々と聞きたそうな顔をしてるわね。」



更なる疑問を抱えて戸惑ってしまう私を見て、

美咲さんが笑顔で話しかけてくる。



「どうしてなのか…知りたい?」


「え…っ?あ…はい…。」



あっさりと考えを見透かされてしまったわ。



…そんなに分かりやすいのかな?



「乃絵瑠ちゃんは本当に分かりやすい子ね♪」



………。



それも嬉しくない発言だったわ。



「だけど、そこが可愛いんだけどね♪」



………。



それも嬉しくないのよ。



「ふふっ♪」



………。



誇らしげに微笑む姿は何もかもお見通しと言う雰囲気が感じられるわね。



何て言うか…完全に見抜かれてる気がするのよ。



「さあ?どうかしら?」



………。



戸惑う私を見て、美咲さんは楽しんでる。



…あうぅぅ。



精神的に追い込まれていく瞬間だったわ。



…どうすればいいの?



「遠慮しなくて良いのよ♪」



目の前のご馳走を眺めながら動けずにいる私に美咲さんが笑顔で告げてくる。



………。



一言も喋ってないのに、

何故か会話が成立してしまっているの。



…どうして?



ニコニコと微笑み続ける美咲さんに視線を向けてみると。



「あらあら?」



ついに美咲さんの攻撃が始まってしまったのよ。




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