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THE WORLD  作者: SEASONS
4月20日
1486/1599

増え続ける犠牲

《サイド:竜崎雪》



「まだです!!」



ここから先には通しませんっ!



「ダイダルウェーブ!!!」



両手から生みだした水流が、

激しく振り注ぐ大雨を吸収することで巨大な津波へと変化しました。


そして前方のセルビナ軍へと襲い掛かります。



洪水とも言える濁流。



土砂を巻き込んだ津波が、

セルビナ軍最前列を飲み込みました。



「「「「「うああああああああああああっ!!!」」」」」



強引に全てを押し流す津波の勢いによって、

セルビア軍は隊列を乱して一時的に進軍を阻まれています。



…ふう。



まだまだ問題が山積みですけれど。


ひとまずセルビナ軍の接近を阻むことには成功です。



…とは言っても。



問題の先送りでしかありませけどね。



それでも今は援軍の到着まで時間を稼ぐことが目的なので、

セルビナ軍の接近を妨害することが唯一の生存方法になります。



「「「「「た、助けてくれえええええっ!!!!!」」」」」



大きな悲鳴を上げながら津波に流されていくセルビナ軍ですが、

それだけと言えばそれだけです。


私が放った津波によってセルビナ軍の部隊を押し戻すことには成功しているのですが、

それだけで状況が好転するわけではありません。



「突撃しろーーー!!!」



押し流されなかったセルビナ軍が再び突撃を再開してしまうからです。



「「「「「うおおおおおおおっ!!!!」」」」」



雨の中を響き渡る怒号。


セルビナ軍の勢いはとても激しくて、

私達を含む共和国軍は一方的に追い詰められていました。



「ちっ!!再び包囲されたか…っ!」



悔しそうに呟く北条さんは、

背後にいる私を庇いながら、

続々と攻め込んで来る周囲のセルビナ軍を必死に迎撃してくれています。



「一度は突破した包囲網だが、さすがに今回は無理があるか…。」



…そうですね。



先程とは状況が違います。


すでにこちらの戦力は限界が近づいているからです。



魔力もそうですが、

体力的にも限界が迫っています。


すでに逃げるための体力さえ残ってないんです。



そのせいで落ち込んだ表情を見せる北条さんですが、

だからと言って諦めた様子は一切感じられませんでした。



「迎撃も撤退も無理なら耐え凌ぐのみだっ!!」



最期まで戦い抜く決意を表しています。


その心意気は頼もしく思えるのですが、

根本的な問題は何一つとして解決していません。



「援軍はまだ来ないのでしょうか?」


「…分からん。だが、来ると信じて待つしかないっ!!」



両手で槍を構える北条さんは、

次々と襲い掛かって来るセルビナ軍を相手に懸命に戦い続けてくれています。



その激戦を眺めながら、

祈るような気持ちで助けを願いました。



…お願いです。


…早く来てください。



心からの祈りです。



ですが援軍は来ないまま、

状況は確実に悪化してしまいます。



「ぐあああああっ!!!」



一人…また一人と倒れていく共和国軍。



「くっそぉぉぉぉっ!!!」



最期まで戦い抜いた仲間が次々と倒れていきます。



「くそっ…!ここまでか…っ!!」



確実に包囲網を狭めてくるセルビナ軍の猛攻によって、

国境警備隊だけではなくて反乱軍のみんなも倒れ始めました。



…私を守る為に。



反乱軍のみんなが庇ってくれているんです。



「せめて姫だけでも…っ!!」



必死の抵抗を続けて守ってくれるみんなが、

私の身代わりとなって倒れていく光景はまさしく絶望です。



…もう止めてっ!!



どれだけ願っても止まらない戦い。


そして両軍共に増え続ける犠牲。



「お願い…。みんな逃げて…っ。」



次々と死んでいくみんなの最期を見てしまったせいで、

私の心は悲しみで壊れてしまいそうでした。




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