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一秒でも長く
《サイド:栗原薫》
船に向かって歩きだす御堂君の後ろについて成美ちゃんが歩き始める。
そんな二人の後ろ姿を眺めてから、
ひとまず私は学園長に挨拶をすることにしたのよ。
「それでは行ってきます。」
「ええ、くれぐれも無理をしないように気を付けて下さい。あなたは愛里が必死に守り抜いた大切な命を持っているのですから。」
…はい。
「あなたの生存こそが愛里の願いであり、あなたの死こそが、愛里の想いの終わりなのです。ですからどうか…愛里が命懸けで守り抜いた命を一分一秒でも長く大切にして下さい。」
…そうですね。
精一杯生きていこうと思います。
「必ず生きて帰ってきます。兄貴と愛里が命懸けで守ってくれた私の命を…無駄には出来ませんから。」
笑顔で答えてから学園長に背中を向けることにしたの。
「…行ってきます。」
「あなたが無事に帰ってくる日を…お待ちしています。」
「はい!」
挨拶を終えて歩きだす私を…学園長はずっと見送ってくれていたわ。




