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THE WORLD  作者: SEASONS
4月20日
1480/1579

戦力外扱い

《サイド:長野淳弥》



…何故だ?



この状況で俺達に残れだと?



…どういうつもりだ?



米倉宗一郎の言葉が理解できずに、

微かな不安を感じてしまった。



…何を考えている?



竜の牙への抵抗戦力として俺達が欲しいと言っているが、

その発言は明らかに不自然だ。



…俺はともかく。



里沙と百花が戦力になるかは疑問だからな。



どう考えても戦力として以外の意味があるような気がしてしまう。



…まさか、俺の正体に気付いているのか?



その可能性が否定できない。


どの段階で気付かれたのかは分からないが、

考えられる可能性があるとしたら秘宝の話の時だろうか?



自分では何も知らないふりをしていたつもりだが、

米倉宗一郎は気付いたのかも知れない。



…ちっ。


…だとしたら、まずいな。



正体がバレた密偵ほど危険な立場はないからな。



…米倉宗一郎はどこまで気付いているんだ!?



抑えきれない不安を感じて焦ってしまう。



だが、米倉宗一郎は俺に視線を向けることさえせずに話を続けていた。



「確か芹澤里沙君と長野淳弥君は指輪によって力を封印している状態だったな?ならば危険な前線に参加するよりも竜の牙の魔術師達と戦うほうが生存率が高いのではないか?まあ、強制はしないがな。」



…ちっ。


…遠回しに戦力外扱いか。



…だが、確かに反論は出来ねえ。



だから、だろうか。



「…だそうだけど、淳弥はどうするの?」



米倉宗一郎の発言のせいで里沙が問い掛けてきた。



このまま御堂と共に海軍に加わるのか?


それとも米倉宗一郎と共に竜の牙の追撃に回るのか?



…だがな。



どうするもこうするも、

そもそも俺に選択肢はねえ。



米倉宗一郎が船に乗らないのなら、

俺もここに残る必要があるからだ。



「俺はどっちでも良い。戦力外と言われれば否定出来ないからな。」



里沙にはどちらでも良いと答えたが、

俺としては船に乗れない理由がある。



米倉宗一郎の護衛という役目を持つ俺が、

護衛対象から離れるわけにはいかないからだ。



面倒な状況になりつつあるが、

米倉宗一郎と別行動をするわけにはいかない。



…とは言え。



もしも俺の正体がすでに気付かれているとしたら、

米倉宗一郎の傍にいるのは危険だ。



俺が『元』竜の牙だと知れれば確実に拘束されるだろう。



現時点での俺の目的は秘宝の奪取ではなく、

秘宝を持つ米倉宗一郎の護衛なんだが。


それを理解してもらえるとは限らない。



…どうする?



いっそのこと米倉宗一郎に全てを話してしまうのもありだとは思うが、

姉貴に激怒されるのは間違いないだろうな。



…うあーーーーーーーー!!


…面倒くせーっ!!!



自分の失敗で米倉宗一郎に勘付かれたことが事実だとしても納得なんて出来ねえからだ。



全てを姉貴のせいには出来ないが、

それでも考えてしまう。



…一言ぐらい言っておいてくれれば!!



前もって知ってさえいれば、

こんな面倒なことにはならなかったはずなのに…ってな。



秘宝に関して知っていれば、

米倉宗一郎に気付かれなかったはずだ。


そう思う気持ちがどうしてもある。



だがまあ…今更、手遅れか。



過ぎたことを愚痴っても現実は変わらないからな。



とりあえず今は米倉宗一郎の行動を見定めるしかないだろう。



…ふう。


…面倒だが、もう少し様子を見るしかないか。



米倉宗一郎がまだ気付いていない可能性に期待しつつ、

里沙と百花に問い掛けることにした。



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