1466/1574
どれだけ急いでも
《サイド:ウィッチクイーン》
…ああ、もうっ!!!
…やっと中央付近まで来たと思ったのにっ!
共和国のほぼ中心に位置するグランバニアから西に伸びる街道を走っている途中でね。
突然、雪の精霊が消失してしまったのよ。
雪と慶太の状況を確認しようと思って、
精霊に手を伸ばそうと鞄に手を入れた直後に消失してしまったの。
…雪に何かあったのっ!?
本気で焦ってしまったわ。
そして抑えきれない不安が込み上げてきたのよ。
…雪~っ!!
…私が知らない間に死ぬなんて許さないわよっ!!
どうしようなく焦ってしまうけれど。
それでもここから国境まではまだまだ時間がかかってしまうわ。
どれだけ急いでも、まだ4時間はかかるはずなのよ。
夜が近付く空。
降り注ぐ雨は勢いを増して、
さらに視界を遮ってくれてる。
…ホントに。
…最悪の状況ね。
急ぎたくても間に合わないかもしれないのよ。
そのせいで余計に心が焦りを増してしまうわ。
…焦っても良いことなんてないって分かってるけどね。
それでも冷静でいられないのよ。
…雪っ!
…すぐに駆けつけるから、ちゃんと待っていなさい!!
雪の無事を祈りながら、
全力で国境へと急いだわ。




