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THE WORLD  作者: SEASONS
4月20日
1458/1587

秘匿成功

《サイド:長野淳弥ながのあつや



「黒柳所長!」


「ん?おお、長野君か。」



大声で呼び掛けた俺に気付いた黒柳が振り返ってくれた。



「早かったな。きみが一番乗りだ。」



…ああ、やっぱり一番最初だったか。



黒柳の言葉から察するに、

他の仲間達はまだ来ていないらしい。



「たまたまこの付近を行動していたので…。」



駆けつけたというよりはたどり着いたという感じなんだが、

単独で行動していた俺に黒柳が問いかけてきた。



「町の様子はどうだった?」



大雑把な質問だが、

今はある程度の余裕があるからな。


俺の知る範囲内での出来事を報告しておく。



「部分的に確認しただけですが、町の各所でかなりの被害がありました。焼け落ちた家屋の消火作業や人命救助などをギルドの魔術師達が行っていますが、人手が足りない状況のようです。」



それでも不幸中の幸いと言うべきか?



「この雨のおかげで火事による被害はそれほど大きくはならないと思います…と同時に、この雨のおかげで人命救助に遅れが出ているのも事実だと思います。」


「…なるほどな。」



すでに予想していたのか、

黒柳は驚く様子もないまま頷いていた。



「ひとまず町に関してはギルドに任せるしかないな。」



…まあ、そうだろうな。



海軍は戦争の準備で忙しいからな。


学園も攻撃を受けて生徒を派遣する余裕がない。


魔術師ギルドは竜の牙の追撃で手一杯だろうから、

現状では冒険者ギルドに動いてもらうしかないと俺も思っている。



「こちらの状況はどうですか?」


「おおよそはきみが確認したことが全てだ。ひとまず竜の牙は全部隊が退却したらしい。町の内部においての戦闘は終了しているようだが、どの程度の被害が起きたのかまでは分からない。とは言え…相当な数の犠牲者が出たことは間違いないだろう。」



…なるほどな。


…竜の牙は撤退したか。



黒柳の言葉を聞いて、ひとまず安心した。



これで秘宝に関しての情報が洩れる心配がなさそうだからだ。



姉貴が常盤成美に預けた秘宝の存在は、

ひとまず竜の牙に勘付かれずにすんだと思う。



確証はないが、今は信じるしかない。



…まあ、海に出てしまえば追撃もなくなるはずだ。



常盤成美がどうするかは知らないが、

御堂に同行するのなら船に乗ることになるからな。


しばらくは身を隠せるだろう。



…それに。



少なくとも常盤成美が秘宝を所持していた姿を見た可能性がある奴らはあの場で全滅したはずだ。



俺はその場にいなかったが、

御堂が殲滅して生存者は自害したらしいからな。



…とりあえずは信じるしかないか。



秘宝の情報を秘匿する為に竜の牙を壊滅させるつもりで町を行動していたのだが、

そのおかげで他の連中よりも早く港に着いてしまったらしい。



できることなら全滅させておきたかったが、

竜の牙が逃亡したのなら今から町に戻る必要はないし、

わざわざ学園に戻る必要もないだろう。


ここで待っていれば仲間達と合流できるはずだからな。



「少し休ませてもらっても良いですか?」


「ああ、船に乗りなさい。」



黒柳の許可を得てから船の内部へと歩みを進めていく。



さすがに走りっぱなしで疲れたからな。



学園内で戦闘を繰り返して町中を駆け回り、

雨を避ける為の結界を維持し続けることにも限界を感じて船に乗り込んだ。



…まずは全員が集まるまで待つしかないな。



特にやるべきこともないんだ。


御堂達が到着するのを大人しく待つことにした。




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