私で良ければ
《サイド:栗原薫》
「成美ちゃん、栗原さん。」
御堂君の呼び掛けを受けて、
私と成美ちゃんは揃って御堂君に視線を向けたわ。
「二人に伝えなければいけない話があるんだけど…良いかな?」
何となく言いにくそうな雰囲気ね。
それでも御堂君は話を続けたのよ。
「総魔が遺した希望とも呼ぶべき大切な人の想い。それが二人に大きな力を与えてくれていると思うんだ。」
…まあ、確かにね。
現時点では推測でしかないけれど。
御堂君の言葉を否定するつもりはないわ。
「…だけどね。力を得ると同時に、二人がウィッチクイーンと関わることになってしまったのも事実なんだよ。」
…あ~、まあ、そこも否定できないわね。
「彼女が何を狙っているのかは僕にも分からない。だけど二人を戦争に巻き込もうとしているのは間違いないと思う。」
…かもしれないわね。
成美ちゃんの秘宝もそうだけど。
私も何かの鍵として必要とされてるみたいだし。
「だから僕はきみ達に聞きたいんだ。これからどうするのかを…ね。」
…これからどうするのか?
それはちょっと難しい質問よね。
普通に悩んでしまうわ。
御堂君の疑問は当然だけど。
自分でも良く分からないからよ。
私に何が出来るの?
何をするべきなの?
そもそも何も分からないのよ。
だけど私に何らかの力があって、
誰かの役に立てるのなら。
戦争に参加しても良いとは思ってる。
そうすることで一人でも多くの人々を守れるのなら。
一人でも多くの傷付いた人々を救えるのなら。
戦いを恐れるつもりなんてないわ。
少なくとも兄貴と愛里は戦いを選んだのよ。
だから私も選べる。
私にも守りたいと思える人がいるから。
だからその為に頑張れると思うの。
マールグリナにいる両親や隣にいる成美ちゃん。
それに学園には友達だって沢山いるわ。
そういう沢山の大切な人達を守れるのなら。
そして共和国に平和が訪れるのなら。
この命を賭ける意味はあると思ってる。
だから私の答えは決まっているの。
「ウィッチクイーンの目的はともかくとして、私でよければ協力するわよ。」
自信をもって答えたわ。
…だけど。
隣にいる成美ちゃんは戸惑っている様子に見えるわね。




